知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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類似群コードと専用権と禁止権 その2

*本来は昨日のUPでしたが、夕方近くまで寝過ごしてしまい、昨日はUPできませんでした。ですので、今日UPします。また、これを機に、以後基本週一日曜日UPに変えます。突然イレギュラーで他の曜日にUPするかもしれませんが。あくまで、基本、です。
 
 
 
(その1の続きです。)
 

前回書きましたとおり、具体例をあげて説明します。

 
商標「ABCD」
指定商品「運動靴」(第25類)
だとします。
 
この場合、特許庁は、この登録商標の指定商品について、類似群コード【22A01】としています。
これは、【24C01】(指定商品「運動用特殊靴」です。競技専用の靴というところでしょうか。野球のスパイクとか、サッカースパイクとか、バレーボールシューズとか。)ではありません
 
ですから、前述の通り「運動靴」で商標を登録しているからと、「野球のスパイク」も同じ「運動靴」だと考えて、この「野球のスパイク」に商標「ABCD」を使っ場合、これは登録した商標を正しく使っていることにはなりません。取り消し審判で、登録商標の不使用と認められれば、取り消されてしまいます。類似群コードが違うからです。
 
では、「野球のスパイク」ではなく、「婦人靴」に商標「ABCD」を使用した場合はどうでしょうか。「婦人靴」は同じ類似群コード【22A01】ですから問題ない、と考える方もいらっしゃるようですが、これもだめです。商標「ABCD」は、指定商品を「運動靴」で登録しているのであって、「婦人靴」ではありません同じ類似群コードでも、指定商品が違う以上、「婦人靴」に商標「ABCD」を使用しても、これは登録した通りの商標の使用ではありません。この場合も、取り消し審判で、登録商標の不使用と認められ取り消されてしまう可能性があります。もっとも登録指定商品の「運動靴」でこの登録商標を使用していれば、あわせて「婦人靴」で商標を使用していても、登録商標がとりけされることはありません
 
では、第三者が商標「ABCD」を勝手に「婦人靴」に使用している場合はどうでしょうか。この場合、指定した商品ではありませんが、類似群コードは同じなので、「運動靴」と「婦人靴」は類似となり、いわゆる「禁止権」の範囲なので、この第三者の「婦人靴」への商標「ABCD」の使用に対して、警告をしたり最終的に裁判に訴えることで、つまり権利行使をしてやめさせることができます損害が発生しているならば、損害賠償を求めることもできます
 
では、第三者が商標「ABCD」を、「野球のスパイク」に使用している場合はどうでしょうか。この場合、指定した商品ではありませんし、そもそも類似群コードが異なりますので、この第三者の「野球のスパイク」への商標「ABCD」の使用を、権利行使をしてやめさせることはできません類似群コードが違うので、両者は類似ではないからです。「禁止権」の範囲外だからです。
 
 
他のやり方で差しとめるようとする方法もありますが、商標法制度上では基本的にこうなります。
 
 
類似群コードと専用権と禁止権、なんとなくおわかりいただけましたでしょうか?
 
 
 
あれ?どこかで似たようなものを見たことがあるような例ですね(笑)。