あらためて見直しましたEUの商標制度の改正内容
去年の秋頃、今度の知的財産管理技能検定1級ブランド専門業務学科試験の試験問題予想を書いた際、EUの商標制度の改正について少しふれて書きました。
今回、私は、今度の試験対策で、EUの商標制度の改正についてあらためて見直したところ、今回の改正での重要な点が結構あることに気がつきました。
今回の改正、大きな項目としては、
①名称変更
OHIM → EUIPO(日本語で言えば「欧州知的財産庁」)
CTM → EUTM(日本語で言えば「欧州連合商標」)
等
②出願・更新等にかかる費用の変更
③商標の定義規定の変更
定義規定から「視覚的に表示されること」の部分がなくなった等の規定変更で、これにより条文上でもはっきりと音商標等が認めれたわけだが、ただしその登録は明確かつ正確に判断できる方法にて登録簿に表示できるようにされなければならない
④証明商標制度の導入
⑤指定商品・指定役務の記載に関しての変更
クラスヘディングを書いても、その類の全商品・全役務が指定されるのではなく、その文言どおりに解釈される等
⑥優先権主張の運用変更
優先権主張は出願と同時
⑦先行商標調査報告書の運用変更
希望した場合のみ送付
⑧国際登録における欧州連合指定についての異議申立期間の変更
公告日から1ヵ月(以前は6ヵ月)の日を起算日としてその日から3ヵ月以内まで(よって異議申立期間は実質的に4ヵ月に短縮)に変更
⑨異議申立や(相対的無効理由での)無効審判における使用証拠の提出についての起算日の変更
異議申立や(相対的無効理由での)無効審判におけるその根拠となる先願登録商標について、後願商標の出願人は、異議申立人や無効審判請求人に対して、その後願商標の出願日又は優先日(以前は公告日だった)を起算日としてその5年以上前からその先願登録商標が使用されているその証拠を求めることができる
⑩商標権の効力についての規定の変更
の10点というところでしょうか。
この改正は2016年3月23日に施行されました。未確認ですが、③については2017年10月1日の施行という話らしいです。
上記の説明は部分的なものです。これら10点のさらなる詳細説明については、書くとかなり長くなってしまうので、すみませんがインターネットで御自身で調べて確認してくださるようお願いいたします。
個人的にはどれも出題ポイントになりそうな気がします(笑)。