第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 26問目
第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は26問目です。
26問目は、「商標の指定商品とその商品に関する指定役務」についての選択肢で「適切」なものを答える問題です。
前提として、
①XYZ株式会社(以下「XYZ社」とする)は、自社が販売する「電子計算機用プログラム」商品には商標「XYZ」を使用し、自社が提供する「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの開発,電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」これらの役務については商標「XYZ'」を使用している、
②商標「XYZ」については、第9類「電子計算機用プログラム」を指定商品とする商標登録Pを所有しているが、第42類「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの開発,電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を役務商標として登録はしていない、
③XYZ社の商標担当者甲は、事業部の担当乙から、「今後は、商標『XYZ』を電子計算機用プログラムだけでなく、電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの開発,電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明にも使用する予定がある。」との連絡を受けた、
④そこで、甲は、他社の商標登録の有無を確認したところ、ABC株式会社(以下「ABC社」とする)が第42類「電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの開発」の役務について商標を「XYZ」とする商標登録Qを所有している事実を発見、
⑤なお、この商標登録Qに係る商標出願の出願日は、商標登録Pに係る商標出願の出願日よりも後、
とあります。
選択肢アは間違いです。商標登録Pと商標登録Q、それぞれにおける商標は、「XYZ」と同一であり、またそれぞれの指定商品第9類「電子計算機用プログラム」と、指定役務第42類「電子計算機用プログラムの提供」とは、類似関係になります。ですので、ABC社の商標登録Qに係る指定役務中の第42類「電子計算機用プログラムの提供」についての商標登録の無効審判の請求をすることができます。
選択肢イは間違いです。XYZ社が「電子計算機用プログラム」について使用している商標「XYZ」がABC社の商標登録Qに係る商標出願の出願日から「電子計算機用プログラムの提供及び電子計算機用プログラムの開発」の分野の需要者間で周知になっているいないに関係なく、XYZ社は、ABC社の商標登録Qに係るすべての指定役務を無効審判の請求によって無効にすることは可能です。類似関係だからです。
選択肢ウは正しいです。XYZ社が「電子計算機用プログラム」について使用する「XYZ」が商標として有名なものでなくても、電子計算機用プログラムの開発を事業としているXYZ社の会社名が商標登録Qの出願依然から著名になっている場合には、ABC社の商標登録Qに係る指定役務のすべてを無効審判の請求によって無効にすることはできます。と言いますか、XYZ社が「電子計算機用プログラム」について使用する「XYZ」が商標として有名なものであろうがなかろうが、また電子計算機用プログラムの開発を事業としているXYZ社の会社名が商標登録Qの出願依然から著名になっていようがいまいが、商標XYZ(商標登録P)を所有するXYZ社は、ABC社の商標登録Qに係る指定役務のすべてを無効審判の請求によって無効にすることができます。
選択肢エは間違いです。XYZ社が、電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明について商標「XYZ」を使用しても、ABC社の商標登録Qに係る商標権の侵害にはなりません。ABC社の商標登録Qに係る商標権の指定役務の範囲外だからです
よって、選択肢ウが正しく「適切」なので、ウが正解です。