知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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自分学習用解説 第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題 その3

第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題、自分学習用解説、今回はその3、5問目と6問目です。


問5は、パリ条約についてです。
選択肢アは正しいです。パリ条約における(国際)優先権とは、「パリ条約同盟国に出願する場合に一定の手続きの猶予を認める『優先権制度』(パリ条約三大原則の一つ)を認めることで、その同盟国の国民との間の不平等が起きないようにする」ものです。だから、(先の出願日からの一定の優先期間内に)優先権を主張し特許出願すれば、新規性、進歩性等の判断時について、(先に同盟国でした)最初の出願日に出願したものと同様の効果が得られることになります。
選択肢イは正しいです。これはまさに、パリ条約の三大原則である「工業所有権独立の原則」についての説明文です。優先権を主張して取得した特許は、優先権主張の基礎とされた特許出願に係る権利が無効にされた場合であっても、連動して自動的に無効にされることはありません。
選択肢ウは正しいです。これはまさに、パリ条約の三大原則である「内国民待遇」についての説明文です。パリ条約では、同盟国民は、内国民に課される条件及び手続に従う限り、内国民と同一の保護を受け、かつ、自己の権利侵害に対し、内国民と同一の法律上の救済が与えられます。
選択肢エは間違いです。「内国民待遇」の原則からして、パリ条約は、同盟国ならば、自国民のみならず他国民にも適用されます。選択肢文の「同盟国の国民」とは、おそらく「自国民」を指しているものと思います。
なお、自国民より他国民を有利に扱うのは「内国民待遇」に反しないようです。また、Wikipediaによると、「内国民待遇の『例外』」として、同盟国に住む他国民に対し、住所の選定や代理人の選任について等、その他幾つかのことに対して異なる取り扱いをすることが、パリ条約で認められているようです。これは、手続円滑化のため、各国の権限を留保することを趣旨とした規定らしいです。
よって正解はエです。


問6は、意匠権の権利行使についてです。
選択肢アは正しいです。意匠権者は、自己の意匠権を侵害する者だけでなく「おそれ」がある者に対しても、その侵害の停止を請求することができます。
選択肢イは間違いです。意匠権者は、試験又は研究を目的として許諾なく登録意匠を実施する者に対して、権利行使はできません。
選択肢ウは間違いです。意匠権者は、意匠権を侵害する製品を輸出する者に対して権利行使することができます。
選択肢エは間違いです。登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品を業として貸し渡すために所持する行為は、意匠権を侵害するものとみなされます。
よって正解はアです。