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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

アニメのタイトルと商標権

他の調べものをインターネットでしていてたまたま偶然みつけたのですが。

 

古い作品の話ですが、原作マンガのアニメ化の際、マンガとアニメでタイトルが変わってしまうものがありました。

その理由が、すでに登録されている商標があり、その商標権侵害になるため、その商標の言葉を用いたタイトルは使えない、というものらしいです。本当なのでしょうか?

 

具体的なアニメのタイトルの一例としては、古いですが、

魔法使いサリー」(原作マンガのタイトルは、「魔法使い『サニー』」※※)

「黄金のガッシュベル」(原作マンガのタイトルは、「黄金の『ガッシュ』」)

などです。

※『』の部分が登録商標

※※原作の段階ですでに、サニーからサリーに変わったそうです。ただ、アニメ化の話が持ちあがったために変えたそうです。

 

私は違和感を感じます。商標権侵害になる、というのは違うのではないでしょうか。誤解というか、間違いというか。

 

そもそも、著作物のタイトルが、商標権侵害になるのでしょうか?

法律の話をすれば、商標法の規定で、著作権に抵触する商標は、その抵触する部分については、商標の使用が認められません(商標法第29条)(なお、使用が認められなくなるだけで、登録自体はそのままになります)が、逆に商標権に抵触する著作物についてはその著作権を認めないとする規定は、著作権法にはありません。ですから、商標権侵害ということにはならないと思うのですが

また、裁判においても、著作物のタイトルは「商標としての使用」にあてはまらないので、商標登録された言葉を使用していても、商標権侵害にはならない、と判示されました(例えば、under the sun事件等)。

 

 そう考えると、どうやら、著作物のタイトルが商標権に抵触し侵害するとして禁じられたために、アニメのタイトルが変更されたわけではなさそうです

著作物のタイトルが商標権侵害というわけではなく、制作サイドが、単に「ある特定の商品の宣伝になってしまうから」という理由でそうならないよう配慮しただけ、または過剰に商標に反応したためなのではないか、というのが事実なのではないか、と私は考えます。「魔法使いサリー」の場合は、そのなのではないでしょうか。

なお、「サニー」は日産自動車の商標と思われがちですが、実はもともとソニーの商標です(後で、日産自動車も「サニー」を商標登録しています。)。当時、日産自動車ソニーから商標の使用許諾を得ていたらしいです。でも、実際にそのようなことがあったのでしょうか?自動車と電化製品とでは全く異なる類区分の商品になりますから、ソニーがその類区分で権利を持っているとは思えず、自動車を指定商品としての登録はしていませんから実際には権利を持っていませんので(もしかしたら当時は持っていたのかもしれませんが、でもそれは考えにくいです。)、よってソニー日産自動車に対して許諾をするというような立場ではなく(そもそも自動車を指定商品として登録していませんから)、日産自動車はサニーという商標を自社が販売する自動車に使ってもなんの問題もない、と思うのですが。もし本当に許諾の事実があったのであれば、日産自動車ソニーも(少なくともその当時においては)商標法制度の基本的なことすら全く理解していなかったことになります。

また、「黄金のガッシュベル」の場合は、ガッシュという言葉が英語のスラングで女性器を表す言葉だから、だそうです。本当かどうかわかりませんが。

 

ちなみに、昔、「国松様のお通りだい」というアニメがありました。もともとこれはハリスガムという当時あった企業がスポンサーをしていた「ハリスの旋風(かぜ)」というタイトルのアニメで、実は今でいうタイアップ作品でしたが、その後のカラーリメイクの際、ハリスガムがスポンサーをおりたため、「ハリスの旋風」のタイトルをやめて、「国松様のお通りだい」というタイトルに変えたそうです。こういう事例もございます。

 

 

とにかく、商標権侵害になるために原作マンガのタイトルがアニメでは変更されてしまった、というのは、後付けの嘘の説明のようです。

なんにせよ、著作物であるアニメのそのタイトルは商標権侵害にはなりません」ということです。

もっともアニメを商品化(おもちゃとかお菓子とか)した場合は、それはもはや著作物そのものではないので、こちらは商標権侵害が成立すると考えられます。もしかして、そこまで考えてのタイトル変更だったのでしょうか。