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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

コメダ珈琲店の店舗建物外観立体商標について (加筆修正あり)

あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
m(_ _)m

 

 

 

さて、今年2017年最初のブログですが、コメダ珈琲店が商標権を取得した店舗建物外観の立体商標について、もう少し書いてみようかと思います。

 

 

まず私が最初に疑問に思ったのは、この立体商標の権利取得がはたして裁判に及ぼす影響があるのかどうか、ということです。

コメダ珈琲店がマサキ珈琲を訴えたのは、2015年5月だそうです。そして、コメダ珈琲店が店舗建物外観の立体商標を出願したのが2016年2月、早期審査制度を利用して早く権利化をはかり2016年5月にはこの商標が登録されました。このことは、今回の仮処分決定において考慮されたのでしょうか?また、今後続く裁判に考慮されるのでしょうか?

そのうちわかるとは思いますが。

 

つぎに、そもそもこの商標権は本当に役に立つのという疑問があります。

登録された店舗建物外観の立体商標ですが、そな建物の看板なのでしょうかアルファベットで「KOMEDA’S Coffee」とあり、また入口や他の場所にも「KOMEDA’S Coffee」と見受けられます。さらに珈琲所コメダ珈琲店の文字も見受けられます(なおこれらの文字は別途商標登録がされています。)。また「男性がコーヒーを飲んでいる絵にKOMEDA’S Coffeeの文字」の図(この図も別途商標登録がされています。)も見受けられます。

これらのことから、つまり、この店舗建物外観商標は、立体商標ではありますが、本当に店舗の建物自体に識別力があって登録されたのか?という疑問があります。識別力があるのは、前述の文字部分や図の部分だけではないのか?という疑問を私は持っています。

だから、他社がこの店舗建物外観を真似たコーヒーショップ(コーヒーショップ以外なら、そもそも商標権侵害にはならないでしょう。周知性、著名性があれば不正競争防止法違反にはなるかもしれませんが。(※))を始めたとしても、この文字部分や図の部分まで真似てない限り、ただちに商標権の侵害となるとはいえないのではないか、と私は考えます(それでも、要件次第ですが。不正競争防止法違反に該当する可能性はあります。)。

同じコーヒーショップであることを前提として、建物外観についてアンケート調査をするなどして、その結果、裁判で類似性が証明できそれを認めてもらえない限り、商標権侵害は認められない、と私は考えます。

以上から、この立体商標が裁判において本当に役に立つのか、私には疑問です。また、裁判で役に立たないものなら、他社への権利行使もできないといってよいのではないでしょうか。

もっとも、この立体商標の登録が他社に対するある種の「抑止効果」にはなるとは思います。

 

 

とはいえ、個人的には、店舗建物外観は、結構識別力があるのではないかとも思っています。店舗建物に掲げられたマークやロゴなどとは別に、店舗建物外観からかもしだされている雰囲気を構成する色使いとか建物形状とかで店を区別することができると思います。少なくとも私には、ドトールとヴェローチェとスターバックスは、マークやロゴがなくても区別できます(逆に言えば、色使いとか建物形状とか雰囲気を真似されたら間違える自信があります。)。今回の立体商標における店舗建物外観も実はそうなのかもしれません。

 

ただ、世間一般的にはどうなのでしょうか?私にはわかりません。

 

いずれ日本でも、アメリカのように、商標法制度において、トレードドレス商標が認められるようになると、私は個人的には思います。

 

ですがまだ日本ではトレードドレスは認められていません。商標法においてその定義はありません。政令による定めもありません。そのような日本の現状において、(トレードドレスの一要素部分でもあるといってもよいかもしれない)立体商標で店舗建物外観を登録するとは、弁護士か弁理士かはわかりませんが、おそらくかなり優秀な方がコメダ珈琲店側についたのだと思います。

 

アメリカではトレードドレスは商標法制度上認められていますが、私の知る限り他の国、地域では商標法制度上認められてはいません。しかし、そのアメリカでいうところのトレードドレス商標も、ある程度の範囲は立体商標で登録することができるのではないかという意見があり、立体商標が認められている国であればある程度のトレードドレス商標は登録して守ることができるという考えがあります。建物外観はその一つといっていいかもしれません。

前述のとおり、トレードドレスの定義は日本の商標法制度上ありませんが、日本においても、既に商標法制度で定義されている立体商標で、ある程度の範囲のトレードドレスはカバーされうると考えられるわけです。そのようなものについては、現行商標法制度のもとにおいてトレードドレスの一部は登録される、といえるわけです。今回のコメダ珈琲店の店舗建物外観の立体商標はまさにこの一例ではないかと思われます。

なお、日本では、内装や店舗レイアウトはまだだめみたいです。マドプロ経由で、米国アップルが店舗レイアウトを国際商標登録出願、日本も指定国だったのですが、特許庁が拒絶した事例があるそうです。

 

 

※この立体商標の指定役務から考えれば、他社のその類似のものにあてはまる指定商品・指定役務がコーヒーショップ以外のものならば、仮に他社の店舗建物外観が類似していても、それは商標権侵害にはならないでしょう。簡単にわかりやすく例えれば、おもちゃ商品とか美容の役務とかなど、コーヒーショップと関係がないものについては、商標権侵害にはならない、ということです。

ただその場合でも、周知性、著名性、その他の要件を満たすことができれは、その他社を不正競争防止法違反で訴えることは可能のはずです。