始期はいつ?ー不競法第2条第1項3号の始期ー不競法第19条第1項5号イの解釈 その2
(その1の続きです)
前回の最後と重複することを書きます。不競法第2条第1項3号ー不競法第19条第1項5号イの問題は、「保護の始期(開始時期)が『日本国内での最初の販売日』かどうか?」ということになると私は思います。
⑴そうだとして、「保護の始期(開始時期)が『日本国内での最初の販売日』かどうか?」、これの解釈によって、保護期間にズレが生じます。
①「日本国内での最初の販売日」を「実際に市場での流通にのせて販売した日」と解釈するか、②「市場での流通にはのっておらず実際の販売はまだできていないが、広告をうちだしたり、サンプルを配布したり、販売前提で展示会等での見本御披露目等の販売発表行為、また顧客への営業行為を始めた、これらの段階(取引先から受注を得ていたら尚更)」を「日本国内での最初の販売日」と認めるか、で始期は違ってきます。
①は、保護開始時期は遅くなりますが、その分保護期間の終期も遅くなります。②は、保護開始時期は早いですが、その分保護期間の終期も早いです。どちらも保護期間は3年ではありますが、その期間にはこのようにズレが生じます。
⑵「日本国内での最初の販売日」はあくまで「終期の起算点」にすぎず、保護の始期(開始時期)は法上規定されていないと考えると、では保護の始期をどうするかが問題になります。
「実際に市場での流通にのせて販売を行った日」とすれば、⑴①と全く変わりません(これを⑵①とします。)。
保護の始期(開始時期)を、「市場での流通にはのっておらず実際の販売はまだできていないが、広告をうちだしたり、サンプルを配布したり、販売前提で展示会等での見本御披露目等の販売発表行為、また顧客への営業行為を始めた、これらの段階(取引先から受注を得ていたら尚更)」とする場合に、二通りの考えができると思います。
1つは、⑴②と同じです(これを⑵②とします)。もう1つは、保護の始期(開始時期)は⑴②と変わりませんが、終期は⑴①と同じになります。つまり、終期は、「日本国内での最初の販売日」、つまり「実際に市場での流通にのせて販売した日」を「起算点として(始期ではありません。あくまで終期の起算点です。)」その3年後、となります。この場合、保護期間は3年を超えることになります(これを⑵③とします)。
まとめると、
⑴①=⑵①、
⑴②=⑵②、
⑵③、
3つの考え方ができると思います。
(その3に続きます)