知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 15問目

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は15問目です。

 
15問目は、「関連会社への商標譲渡」についての「適切」な選択肢を答える問題です。
 
選択肢アは間違いです。商標の譲受についてですが、商標は無形でも会社の「重要な財産」です。商標は、会社法第362条第4項1号「重要なる財産の処分及び譲受」の「重要なる財産」に該当します。そして、「有償」での商標譲受の場合は、会社法制度上、それぞれの会社において取締役会の決議を経ないといけません。ただし今回の15問目の場合は、それぞれの代表取締役が同一人物である親会社から関連会社への商標譲渡であり、一番大事なことですが、「無償」の商標譲渡である、ということです。親会社側は、会社の重要財産を「減少」させることになり、取締役会での承認は「必要」になります。関連会社側は、対価を支払うことはない「無償」での譲渡による財産の「増加」となりますので、この場合取締役会の承認は「必要ではない」とされます。
選択肢イは間違いです。商標も無形財産であり、会社の資産である以上、その有償譲渡の対価は消費税の課税対象になります
選択肢ウは間違いです。譲渡により「商標権者」となったY社が、通常使用権をX社に認めるとした場合特許庁にその通常使用権の設定登録をしていなくても、第三者による不使用取消審判請求に対して、「商標権者」たるY社は対抗することができます。通常使用権の設定登録をしていないと対抗できないのは、例えば、この商標が商標権者から第三者に譲渡され、その第三者が使用差止をしてきて、これに対して「通常使用権者」が対抗する場合、です。この場合、通常使用権の設定登録をしていなければ、「通常使用権者」は対抗できません。なお、特許は現在「当然対抗制度」となっていますので、通常使用権者は通常使用権を設定登録していなくても第三者に対抗できますが、商標ではそうなってはいません
選択肢エは正しいです。選択肢エの文のとおりです。譲渡を複数当事者間で複数回行っても、その移転登録申請は、途中を端折って手続きを済ましてはいけません。必ずそれぞれ1つ1つ手続きを行いましょう。
 
 
よって、選択肢エが正しくて「適切」なので、エが正解です。
 
 
15問目は、ちょっと難しいかもしれません。特に選択肢アは、会社法の該当条項の知識を知らなければ、わかりにくいかもしれません。