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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

アマナイメージズの勝訴は画期的

著作権侵害裁判で画期的な判決がでました。


アマナイメージズ(以下、「原告」とします。)という、Webコンテンツ素材等を有償で提供している企業があるのですが、「ホームページ上で勝手に無許可で有償写真を使われた」として、とある法律事務所(以下、「被告」とします。)を相手どって、著作権侵害の裁判を起こし、結果、損害賠償が認められ勝訴しました。

何が画期的だったかというと、この裁判では、原告は「『著作権がある有償写真を勝手に使用された』『事実』さえ証明」すればよく、「侵害の故意過失の有無は被告側が立証責任を持つ」ことになり、被告が故意過失はなかったことを証明しなければならなかった(そしてその証明は認められなかった)、ということだそうです。

原則として、損害賠償を求める場合、相手(被告)側に故意過失があることを証明するのは、「原告側」です。
ですが、今回の場合、①「Web上の侵害」においては、原告側による故意過失の証明はかなり難しいものであると判断され、②被告側のWebデザイナーには、プロであるがゆえに、無償のサイトから得たWebコンテンツ素材だとしても、それに著作権があるかないかを確認した上で利用しなければならない義務がある、等の点から、「被告側に故意過失の立証責任がある」とされました。この点が画期的ということです。

詳しくは、例えばネットで「アマナイメージズ 勝訴」などで検索すると、アマナのホームページにおいてこの裁判についてのアマナ側コメントを読むことができますので、こちらをご参照ください。判決のポイントなどを自ら解説していて、参考になります。


誤解すべきでないのは、あくまで今回の裁判は、「プロレベルの話」ということです。

アマナイメージズはWebコンテンツ素材のプロならば、某法律事務所のホームページデザイン担当Webデザイナーもプロです。

これが素人でしたら、おそらく話は違ってきたでしょう。素人なら、例えば被告は著作権侵害となるかどうかの確認義務を問われるでしょうか。ただ、Web、インターネットという特殊性を考慮して、素人の場合でも確認義務があるとされて、著作権侵害の損害賠償請求が認められる可能性はある、かもしれません。また、著作権侵害であることにかわりはありませんから、原告側が故意過失を立証できるならば、被告が素人だととしても、確認義務があろうがなかろうが、著作権侵害における損害賠償請求が認められる可能性はかなり高いと思います。


また、今回の裁判を契機として、プロは、無償提供サイトのWebコンテンツ素材を安易に利用することについて厳しく注意しなければならなくなった、とも言えるでしょう。もし、無料Webサイトで見つけて使用したコンテンツ素材が、実は著作権のあるコンテンツ素材で、他人の著作権を侵害してしまうものであるならば、今回の様な裁判を起こされたならば敗訴となり損害賠償を支払うことになりかねなくなった、ということです。
例えば、私がとある企業に勤めていてそのホームページの制作業務をしているとします。ある無料のWebコンテンツ素材サイトで良さげな写真を見つけ、その写真をホームページで使ったら、実はその写真は著作権がある写真で、知らないうちに他人の著作権の侵害をしてしまった、というようなことになりかねません。


プロのWebデザイナーにとってはある意味厳しくなった、ということです。


それから、今回の著作権侵害裁判において、故意過失が問われたのは「損害賠償」請求だからです。「差止」請求であれば故意過失は問われず、侵害の事実が認めらさえすれば差止となります。