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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

商標と地理的表示の違い その1

前回、あらたに日本で始まりました「地理的表示保護制度」についてちょっと書いてみました。
正直私自身勉強不足であることはいなめません。
なので、自分自身の勉強の意味も含めて、今回から数回にかけて、「商標と地理的表示の違い」について書いていきたいと思います。
なお、前回最後の方に書いた「地理的表示と商標との抵触」については、しばらくたって様子をみてからいずれ書こうと考えております。

なんてもっともらしい書き方をしましたが、ぶっちゃけですね、前回のブログの記事へのアクセスが、なんと発表した日からわずか3日間で普段の約10倍もありましたので、続けて「地理的表示」ネタブログを書いて、二匹目のドジョウを狙おう、という魂胆であります(笑)。



えー、おっほん。書きます。

ちなみに、以下の文章において、「商標」と書いてあるのは、主として「地域団体商標」を念頭においています。ですが、これだけには限りません。「夕張メロン」は、地域団体商標ではなく普通の商標として登録されているらしいのですが、これはまさに「地理的表示」ですから。

「商標」制度とは、簡単に言えば「ブランド名称等を商標として保護し、権利者が『独占的にその商標を使用することを認める』」ことに他なりません。
一方、「地理的表示」保護制度は、形式的かつ一次的には「農林水産物等のブランド名称である地理的表示を保護する」ことなのですが、「その結果、その農林水産物等の品質に対して国が保証、お墨付きを与える」ことに他なりません。また、地理的表示は、商標と異なり、「特定の権利者により独占的に使用することは認められておらずできません」。


「商標」はあくまで「名称保護」です。商標には以前に説明したとおり幾つかの機能があり、その中に、「品質保証機能」もありますが、その機能は、「出所表示機能」や「自他商品識別機能」の、根源的機能からの帰結としてでてくる、二次的な副次的機能です。極端にいえば、品質保証をしていなくても、登録されれば商標として認められるわけです。また、その「品質保証」とは、需要者の期待に応えて、「商標権者や商標使用者があくまで自主的に」その品質を高く維持する、その努力行為の結果です。地理的表示の様な「国による保証」ではありません。
もっと細かく書けば、商標の信用には、その商標がふされた商品・役務へのその品質に対する需要者の期待があり、だからこそ商品・役務の製造・販売・提供元は、その期待に応えて品質を高めようと努力していき、実際にそれなりのクオリティのものを提供することにより、結果として商標の「品質保証機能」が実践されているわけです。そしてこれは、別に国から強制的にやらされているわけではなく、あくまで民間での自主的行為に他なりません。ですから、商標権侵害の対応も、権利者が動かないことには始まりません。

また、商標の本質は、あくまである種の産業秩序の構築維持を商標についてすることにあり、これによって「産業の発展に寄与する」、このことにあります。


対して、「地理的表示」の本質は、「国によってなされる」農林水産物等に対する「品質の保証」によるその保護、にあります。


(次回に続きます。)