公証制度の活用
実は、「公証制度」を知ったのは、今年に入ってからです。こんな制度があるとは知りませんでした。勉強不足でした。これは、活用しだいで知的財産の権利証拠保全(権利付与ではありません)の役に立ちますね。
商標で言えば、先使用権主張における使用証明(もちろん周知性の証明も別途必要です)、商標法第50条の不使用取消に対抗するための使用証明等での活用が考えられます。
もちろん商標以外の知的財産に活用できるのは言うまでもありません。
注意してほしいのは、公証役場で証明ができるのは、確定日付の付与等ある意味間接的な事柄の証明だけで、権利そのものが認定され付与されその証明がされるわけではありません。
どういうことかと言いますと、例えば著作権を例にあげます。公証役場では、著作物と自分で考えている物の、その存在を示すための証書の作成やその存在した日の確定日付の付与などができるにすぎません。それが著作物である、そして著作権がある、それらのことを認定し付与し証明をしてくれるわけではありません。これらは最終的、究極的には、裁判によって確定してもらうしかありませんし、またその段階で逆に、著作物として認められない、著作権が認められない可能性が多いにあるわけです。
つまり、公証役場が権利付与をしてくれるわけではないのです。
そういう意味で、公証制度はあくまで補助的機能しかありません。
ですが、うまく活用すれば、ノウハウや営業秘密なども、公証制度を活用して証明することができる、少なくともその証明の助けにはなる、ということです。
制度の内容など多少の違い、差がありますが、この公証制度は海外にもある様です。中国では、不完全な制度ではあるものの積極的に活用した方がいいらしいです。また、フランスではソロー制度、ベネルクスではI-Depotなど、独特の制度があるらしいです(これらはいわゆる公証制度とは違います。日本で言えば、書留の自己送付に近いかな。違うか(笑)。ですが、機能的には有効な手段らしいです)。
公証制度は奥が深いです。