知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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第2段 2級学科試験問題 自分勉強用解説 過去問編 その4

第2段、2級学科試験問題、自分勉強用解説、過去問編、その4です。今回は、2013年3月に行われた問題より、問32と問36です。
なお、2013年3月については、今回が最後です。少し間をおいて、第3段、2013年7月について書くつもりです。


問32は、特許法における新規性に関する問題です。
この問題を解く際に、「新規性喪失の例外規定」まで考えてしまいましたが、問32はそこまで考えなくてよいと思います。問題文も各選択肢の文も新規性喪失の例外規定に関することは何も書いていませんから、問32では、単に新規性について考えればいいと思います。
選択肢アは間違いです。これはできません(例外規定が適用できれば、選択肢の文のとおりです。)。
選択肢イは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢エは正しいです。選択肢の文のとおりです(なお、特許出願前の場合で、例外規定が適用できれば、この場合も特許を受けることができます)。
よって正解はアです。


問36は、実施権に関する問題です。
選択肢アは間違いです。専用実施権は、特許庁に備える特許原簿に登録しないと効力は発生しません。(ちなみに、通常実施権は特許原簿への登録不要です。通常実施権の登録制度は廃止されました。かつては通常実施権の特許原簿への登録は、第三者対抗要件として必要でした。現在では法律が改正、当然対抗制度が導入されています。また、これは実用新案、意匠でも同じです。商標の通常使用権については、これまで通り第三者対抗要件には登録が必要となります。)
選択肢イは間違いです。通常実施権を同じ範囲に重複して他人に許諾することはできます。(ちなみに、この選択肢の文のとおりだと、それは「独占的」通常実施権を意味することになります。実質的にそうなされてはいても、それは契約上の取り決めによるものであり、「独占的」通常実施権は日本では法律で定められている制度ではありませんので、御注意ください。)
選択肢ウは正しいです。実施権の範囲・地域・期間を限定して定めること、つまり設定範囲を定めることは、通常実施権においても専用実施権においても、どちらでもできます。
選択肢エは間違いです。通常実施権者は、特許権を侵害する者に対して差止請求権、損害賠償請求権を行使することはできません。できるのは、特許権者の他、専用実施権者とされています。なので通常実施権者の場合、特許権者に差止請求や損害賠償請求をしてもらうことになります。通常実施権者は、原則として、特許権者や第三者の実施を排除することはできず、自身の実施を確保することだけしかできないからです。(なお、余談ですが、前述の独占的通常実施権については、差止請求や損害賠償請求ができるという意見もあります。)
よって正解はウです。