知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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書籍紹介その13 知的財産権とデザインの教科書

正直、この書籍を侮っておりました。

知的財産権とデザインの教科書

知的財産権とデザインの教科書


最近商標以外に、特に意匠にも強く関心を持つようになったこともあり、軽い気持ちで、知的財産管理技能検定1級ブランド分野の試験勉強とは関係なく、ちょっとした読み物のつもりで、読んでみました。
デザインを主体テーマとして、デザインにからむ知的財産について書かれています。いつも読んでいる書籍とは視点が異なるので、私には興味深く読むことができました。

もともと日経デザインに連載されていたものをまとめ、書籍化したものです。
発売日からわかるように、内容はいささかデータ的には古いです。しかし、書かれているテーマは多岐にわたっていて、今でも重要なテーマになりうることが書かれています。その点で思考のタネになります。

この書籍をお書きになった弁理士、弁護士の文章がとてもわかりやすいのもいいですね。おそらく、読者想定が、法には門外漢なデザイナーはじめデザイン業界の方々、なのでしょう。判例内容や事例などについても、噛み砕いて書かれていて、いいですね。こういう実例は本当に参考になります。

また、ところどころで知らないところがあり、これは実に勉強になりました。特に特許庁の類似判断の判定制度ははじめて今回知りました。数年知財実務をしてきましたが、初耳でした。
さらに、意匠、商標、著作権にわけた章だて、また各記事毎にポイントが書かれているのも、理解しやすくする工夫の一つだと思います。


私にとっては、検定試験向けの書籍ではなく、またさして実務的に役立つ書籍ではありませんが、なんていうか、読んでためになる書籍、です。直接的に役にはたちませんが、示唆にとむといいますか、考え方を教えてくれる書籍、に思えてなりません。



最近、会社の顧問弁護士に、デザインが特許や実用新案に関係することがあるので、特許や実用新案まで視野を広げた方が良いと指摘されました。これは目からウロコのアドバイスでした。
この書籍でも、もう少し、そのあたりまでふれていたらよかったのに、と思っていますが、その点を差し引いても、いい書籍だと思います。