知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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まさかの精神拒絶の問題!

現在私は、知的財産管理技能検定1級ブランド専門業務試験の勉強会に参加させていただいてます。

 

この間は勉強会で、第32回の実技試験問題と、第29回の学科試験問題の一部をやったのですが、なんと第29回学科試験(平成30年3月実施)にいわゆる「精神拒絶」が出題されていました。

 

「精神拒絶」を簡単に言えば、分ですでに権利を持っている先行登録商標Aと同じ出願商標A'を、その先行登録商標Aと同じ指定商品・指定役務で出願したら、出願商標A'は自身の先行登録商標Aの存在により拒絶されてしまう」というものです。全然簡単じゃないですね(笑)。

(なお、AとA'の関係は、AとA'が完全同一か、AにA'が丸々全て含まれているか、です。縮尺の変更をしている場合も同様です。)

 

まあ、詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/binran/document/index/41_01.pdf

 

知的財産管理技能検定の問題を使って、説明します。

X社は、第20類「テーブル、椅子」を指定商品とした登録商標「LUCKY LIFE」の権利を持っています。X社は、業務の拡大を考えていて、商標「LUCKY LIFE」の新たな出願を考えています。

この時、新たな商標出願を、新しい指定商品(例えば、ソファーとか事務机)だけで行えば問題はないのです。

でも、それぞれ別々の商標権だと管理が大変なので、それで今回の出願を、新しい指定商品だけでなく、すでに登録されている商標権の指定商品「テーブル、椅子」もまとめて一緒にして申請しました。そうしたら自身の先行登録商標権とぶつかってしまい、「精神拒絶」てしまう、ということなのです。

 

この「精神拒絶」は、商標法には規定されてはおらず、商標審査の運用上でなされているものです。法的根拠があるわけではなく、また明確な審査基準があるわけでもなかったため、審査官により異なる判断がなされていました。人により「精神拒絶」にされたりされなかったり、と一部では問題になっていました。

 

これが、平成29年の商標審査基準の運用改定で、明確な基準が設けられたのです。そしてこれについて、出題がなされた、ということなのです。しかし、こんなマイナーなところ出題してきますか。他にだすべき問題はあると思うのですが。

 

閑話休題

以前(約4年前)にもこのブログで書きましたが、「精神拒絶」を採用している国は少数派です。そして、かつての日本は世界的にみても、かなり変で特殊だった、と思います。

 

「精神拒絶」を採用している少数派であることには、変わりがありません。でも、「精神拒絶」の要件が緩和され、以前と比べ柔軟に対応してもらえるようにはなったようです。

ようやく、世界レベルになった、とでもいいましょうか。