知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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【緊急】 しっかり権利は守らないと 〜 イチゴの話 その2

(その1の続きです。)

 

今回のイチゴの新品種が、韓国で勝手に広く生産され、アジア各国で人気がでて販売されている件について、

①日本側権利者と韓国の人とが、契約をしたというのならば、契約違反で韓国の人を訴えればいいのになぜしないのか?
そもそも、この契約、不備はないのか?
の2点を疑問に思っています。

 

 

さて、まず②について書きます。

韓国の研究生産者にイチゴの新品種を渡す際に、日本側とその方との間で、「5年間、研究目的での、有償で生産する」ことを条件として契約を交わした上で、譲渡したそうです。

しかし、もし契約書の記載がこの程度でしたら、それだけでは不十分です契約違反の際についての取り扱いについては、ちゃんと取り決められていたのでしょうか?裁判管轄は?契約に盛り込むべきことは他にもいろいろあります。

また、契約したからそれで終わり、ではありません。ちゃんと相手方が契約を遵守し続けているかを、怠りなく監視しなければなりません。そうでなければ、相手方が契約違反を犯したなどわかりようがありません。

例えば、所謂継続的売買取引契約ならば、取引が継続的に行われる中で相手方が違反を犯したならば、まだその違反に気づくこともできますが、今回はおそらく譲渡自体は一度きりです。

その上での①です。ちゃんと監視ができていれば、もっと傷が小さい内に、相手方を訴えることができたはずです。もちろんこれからでも訴えることはできるでしょうが、果たしてどこまで勝てるでしょうか。相手方の生産自体は差し止めることができるかもしれませんが、韓国の他の農家の方々の生産販売(アジア各国への輸出)まで差し止めることはもはや無理だと思います。

 

ただ、もしかしたら、そのアジア各国や韓国からの日本への輸出(日本からみたら輸入)を差し止めることはできるかもしれません

 

 

(後で知りましたが、育成権者はこの韓国の人と一度和解をしたらしいです。しかし、この韓国の人は、和解内容を履行せず、相変わらずイチゴの生産と販売をしているらしいです。

ちなみに、この韓国の人が生産したイチゴについて、日本国内への輸入は税関で差し止められたそうです。

しかし、この和解は、直接的には、アジア各国での販売を止めることにはならなかったようです。そして、実際にアジア各国で販売しているのは、この韓国の人が韓国で広めた日本のイチゴを元に改良されたイチゴ品種だそうです。今現在これが韓国中で広く生産されているそうです。)

 

 

(その2に続きます。)