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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 18問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は18問目です。

 

 

18問目は、拒絶査定不服審判に関する文で、適切なものを選ぶ問題です。

 

前提として、

①X社は商標「ABC」を登録出願

②その指定商品・指定役務は、第21類「食器類」と第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である

③Y社の登録商標「ABC'」を引用商標として、商標法第4条1項11号を理由とした拒絶査定を、X社は受けた

④そこで、X社は拒絶査定不服審判の請求を検討している

ということです。
これは問題文に書いてあります。


これをふまえて、各選択肢を見ていきます。

選択肢アは間違いです。この選択肢の文に書かれているような減縮補正は、要旨変更とはならず、認められます

選択肢イは間違いです。拒絶査定不服審判の請求と減縮補正(2区分から1区分となる)を同時に行った場合、この拒絶査定不服審判に係る印紙代は1区分に応じたのみです。

選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。

選択肢エは間違いです。X社は、すでに拒絶「査定」を受けています。拒絶「通知」ではありません。なのに、X社は、Y社の商標に対して「食器類(弁当箱を除く)」での不使用取消審判をおこしたとあります。なんか違和感を感じます。不使用取消審判をおこすのは、通常、①出願前の調査時、登録の障害となる可能性のある先行商標を発見し、かつ実際にその先行商標は使用されていない場合に、不使用取消審判をおこすことでその先行商標の登録を取り消しその障害の可能性をなくすため、あるいは②出願後審査時、その審査の結果、拒絶「通知」(拒絶「査定」ではありません)を受けた際、拒絶理由である先行商標が実際に使用されていない場合に、不使用取消審判をおこしてその拒絶理由の先行商標を取り消し拒絶理由を解消するため、です。また、③商標を使用していたら、他者から商標権を侵害していると警告を受けた場合に、その他者が実際にはその商標を使用していない(商標を使用していても指定商品・指定役務が異なっている)のであれば、その警告に対し、その他者の商標の不使用取消審判をおこして取り消すことで商標権侵害に対抗するため、というケースもあるでしょう(無効審判をおこすという手段もありますが、それはまた別の話です。)。ですから、拒絶「査定」を受けた後で不使用取消審判をおこすことなどまずありえません(全くないわけではないようです。平成4年のダイエー事件最高裁判決など御参照ください。)。よって、この選択肢は間違いと判断していいと思います。

念のため、さらに考えてみます。仮に、拒絶「査定」後に不使用取消審判を請求した、とします。不使用取消審判の結果がでるまでには、その請求から約半年かかります。結果がでた後で、先行商標が取り消されたからと、その段階で拒絶査定不服審判を請求するとしても、もはやその請求の時期、時期的制限はとっくに過ぎてます。拒絶査定不服審判を請求できるのは、「拒絶『査定』が届いてから3ヶ月の間」です。では、仮にこの3ヶ月の間に拒絶査定不服審判を請求したとします。ですが、不使用取消審判の結果はまだでていないのですから、結局何も変わっていないので、最初の審査結果がそのまま維持されるだけでしょう(なお、拒絶査定不服審判係属中は、補正は認められるようです。しかし、今回の問題の場合、不使用取消審判の結果がまだでていないのであれば、拒絶査定不服審判をおこして補正をしたところで意味がありません。)。よって拒絶「査定」は維持され、X社が出願した商標「ABC」は登録されることはない、と考えられます。これが、不使用取消審判で障害となる先行商標が取り消された後に、あらためて商標出願をし直すというのであれば、正しいと言えるかもしれません(前述の①のパターンと同じになります。)。

よって、選択肢ウが正しく適切で正解です。

 

 

ううっ、選択肢エの説明長すぎ(笑)。