知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 9問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は9問目です。

 

9問目は、アサインバックの契約書についての選択肢の説明文で「適切」なものを選ぶ問題です。


まず、この問題における前提は、

①このアサインバックは日本国内におけるもので、その契約内容も日本国内におけるもの(8回目のところで書きましたが、日本ではコンセント制度がないため、アサインバックで対応することになります)

②ただ、契約の相手方はアメリカの企業なので、この契約書は英文で書かれている

③その契約書案が作成され、その検討をしている

というものです。

 

これをふまえて、各選択肢を詳しく見ていきます。


選択肢アは間違いです。商標「ABC」の使用の際、「ABC by X」と表記することは、選択肢に書かれている「X社にとって非常に不利益」ではなく、むしろ出所の混同をさけることができる等メリットがあるので、Section 4を契約書から削除せずに残しておくべきです。

選択肢イは間違いです。この契約はアサインバックの契約です。つまり、ある商標を登録するために、一旦その障害となる類似商標を譲渡して、登録後に譲渡した商標を返してもらう、そういう契約です。この契約がそういうものである以上、本契約の利益を勝手に自由に第三者に譲渡することができないようにこの契約において取り決めておかないといけません。もし商標に関する権利が勝手に自由に第三者に譲渡できてしまうとなると、それは、お互いにとって、トラブルの元となりかねない、結果不利益が生じるかもしれない、そんなリスク以外の何物でもありません。よってSection 6はこのままにしておくべきです。

選択肢ウは間違いです。契約上、商標権の存続満了期間をこえた期間を、契約の有効期間として、契約を締結することは可能です。その場合、商標権者に対してはその商標期間更新を必ずするよう、その義務を必ずとり決め、契約書にその義務を明記しておくべきです。

選択肢エは正しいです。アサインバックには、手続の煩雑さ(例えば、相手に移してまたこちらに戻してと、2回の権利の移転手続きが必要となり、大変です)や、出所の混同の可能性(2回も移転を繰り返すことは出所混同をひきおこしかねません)等の問題があるので、アサインバックに対しては慎重に検討しないといけません

 

 

よって、選択肢エが正しく「適切」ということになり、正解です。