知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 8問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は8問目です。

 

8問目は、商標法第4条第1項第11号の拒絶理由通知への対応の問題で、「適切」なものを選ぶ問題です。

 

では、詳しく見ていきます。

 

まず、この問題における前提は、

①X社は商標「ABC」を登録出願
②それについて、米国法人Y社が権利をもつ登録商標「ABC'」を引用商標とした、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の拒絶理由通知書をX社は受領した

です。
これは問題文に書いてあります。


さて、これをふまえて、各選択肢を見ていきますと、

選択肢アは間違いです。X社がY社のグループ企業の1つだとして、商標法制度においては別々の企業となります。X社とY社の関係者を示す資料を提出し両者が関連企業である旨を意見書で主張したところで、拒絶理由が解消することはありません(ただ、これについては今後審査基準が変わる動きがあるようです。)。

選択肢イは正しいです。先行登録の引用商標が、拒絶理由通知がなされる1ヶ月前にその商標権の存続期間が満了したとしても、その満了後1年間以内は、先行登録の引用商標と同一類似の出願商標は拒絶されてします。「無効等でその登録が取り消された場合」には、商標法第4条1項13号は現在削除されたので、現在では取り消され先願商標が消滅した後1年の経過を待たずに出願してもこの理由で拒絶されることはありませんが、「先行登録引用商標が期間満了を迎えた場合」は、その満了後1年間以内には先行登録の引用商標と同一類似の商標の出願をしても拒絶されてしまいます。まだ先行登録商標が更新する可能性があるからです。ただし、選択肢イの文にあるように、先行商標権を持つ企業に更新しない旨の書類を作成してもらい、更新しないことが明らかな場合には、登録が認められる可能性がありますので、選択肢イは正しいということになります。

選択肢ウは間違いです。日本の商標法制度では、コンセント制度は認められてません。その代わりとして、アサインバックが日本で行われています。

選択肢エは間違いです。権利者の署名がある先願商標の商標権を放棄する旨の書面を添付して意見書を提出し、その放棄の主張をしたところで、先願商標の登録がそのまま残っていて登録されたままならば、後願商標出願は拒絶されてしまい、登録されることはありません

 

よって、選択肢イが正しく「適切」ということになり、正解です。