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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

登録商標の表記の際には®️を付しましょう

登録商標のダイリューションを防ぐため、登録商標の表記の際には®️を付しましょう

以前に、以下の ブログを書きました。

http://hidethecsipm.hateblo.jp/entry/2014/10/31/091737

この回のブログの中で、私は、要約すれば、登録商標を『商標として使用』していないのに、その表記に®️をつけるのはおかしい。」というようなことを書きました。さらに「®️をつけようが、ダイリューション(希釈化。別な言い方をすれば普通名称化。)がおきる時はおこる。」的なことも書きました。

その後、私は考えをあらためました。この回のブログに追記して簡単に考えをあらためた旨を書きましたが、今回ここで詳しく説明します。


私のあらためた考えを書きますと、「『登録商標の商標としての使用』でなくとも、登録商標を表記をする際は®️をつけるべきである。それは、『「商標としての使用」でない登録商標』の表記だとしてもそれが繰り返されれば、登録商標ダイリューションはおきるので、それを避けるためだからである。」「『登録商標の商標としての使用』でなくとも、表記した登録商標に®️をつけていれば、それはダイリューションを防ぐことになる。」
です。

誤解しないでいただきたいのは、商標としての使用と、®️を登録商標に付すこと自体とは、全く関係はないということです。
®️を付しても、商標としての使用では
ない場合はあります。ただ、それでも®️を付すことで、登録商標であることをアピールでき、登録商標が希釈化されず普通名称化するのをさけられる、ということです。

例えば、商標「AQUOS」。ご存知シャープの登録商標です。

これを、「うちの4KテレビはシャープのAQUOSです。」なんて私がブログで書いたとします。この表現は、単なる事実の紹介であり、「商標としての使用」ではありません。

そして、仮定として、4Kテレビにおいて、「AQUOS」が高い評価を得てたくさん売れ、そして沢山の人が世間話あるいはブログ等の中で「AQUOS」のことを言い又は書き(もちろんこれも「商標としての使用」ではありません。)、その結果として、「AQUOS」が4Kテレビの代名詞となり、4Kテレビを見ることを「AQUOSを見る」なんて表現するようにまでなり、普通名称化したとします。
これが「商標の普通名称化=希釈化(ダイリューション)」(のパターンの1つ)です。

これを防ぐ1つの方法が、「商標としての使用でなくとも、登録商標を表記する際には必ず®️を付す」ということなのです。「AQUOS®️を見る」という感じで。
商標としての使用でなくとも、登録商標の表記に®️をつけておけば、この表記は登録商標であることをあらわしていることになります。結果、普通名称化される= 希釈化される、ということにはならない、というわけです。

ダイリューションにはいろいろな種類があり、またダイリューションを防ぐには、®️をつけること以外に他にいろいろ手段がありますが、まずは登録商標には®️を付して使用することです。


実際、商標にうるさい企業は、自社の登録商標の表記にはかなり強く注意を払っていて、必ず®️を付して商標表記をしています。自社だけでなく、他社の表記にもそれを求めます。私が勤める会社でも、他社からその他社の商標に®️を付すように言われたことがあります。

ダイリューションの事例を1つ紹介します。
「ホッチキス(又はホチキス)」という言葉があります。
これは実は、もともと、明治時代にアメリカからホッチキス(又はホチキス)を輸入して販売していた伊藤喜商店(現イトーキ)がその当時登録した商標だそうです(この商標の登録は現在はありませんが、後述のとおり現在ではマックスがアルファベット「HOTCHKISS」を商標登録しています。)。ホッチキス(又はホチキス)はアメリカのメーカー名で、これを伊藤喜商店(現イトーキ)は商標登録したのだそうです。
本来ステープラ(※)が普通名称だそうですが、「ホッチキス(又はホチキス)」という言葉が世間に広まってしまい、これが普通名称化してしまい、商標としての機能、商標的価値は無くなってしまいました(なお、日本の商標法制度では、登録商標が普通名称化し商標的価値が無くなっても、それが理由でその商標の登録が取り消されることはありません。もっともその登録に基づく権利行使はもはやできません。また、前述のとおりイトーキの登録商標はすでにありません)。
もし、ホッチキス(又はホチキス)という言葉を使用し始めた最初から、必ずその登録商標に®️を付していたら、おそらくこのようなことは防げたかもしれません。明治時代だから、®️ではなく、「登録商標」ですね。
他にも、「エスカレーター」も同様だそうです。

こういう事例もあるので、だからこだわる企業はとことんこだわるのです。
商標法上、登録商標の使用の際には®️を必ず付す義務はありません。しかし、もしものため、私は自社登録商標には®️を付して使用することをお勧めします


※正確には、日本では正式な普通名称はないようで(ちなみに商標の登録における指定商品的には「紙綴機」という表現となります)、日本ではステープラはJIS規格上での表現とのことだそうです。なお、海外では、ペーパーファスナー、ステープラ等の呼び方が一般的なようです。前述の伊藤喜商店(現イトーキ)がアメリカから輸入した製品には、そのメーカー名であるHOTCHKISS(ホッチキス(又はホチキス))の他、商品の普通名称としてPAPER FASTNER(ペーパーファスナー)と書かれていたそうです。なお、当然のことながら、海外ではホッチキス(又はホチキス)は通じない表現です。
ちなみに、現在では、マックスがアルファベット商標「HOTCHKISS」を、紙綴機を指定商品として、商標登録しています。これはアルファベットだから登録できたのでしょうか?また、マックスは、カタカナ商標「ホッチキス」も登録してはいますが、その指定商品は紙綴機と全く違うものです。