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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

書籍紹介その29 日英対訳 USPQ米国商標審判決百選 【追記有】

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験 39問目にでてきた「naked license」についての米国判例を調べていたら、この書籍を見つけました。

 

日英対訳 USPQ米国商標審判決百選 (現代産業選書―知的財産実務シリーズ)

日英対訳 USPQ米国商標審判決百選 (現代産業選書―知的財産実務シリーズ)

 
 
主だったアメリカの商標に関する裁判例(一部、米国の特許商標庁の審判や税関の事例もあります。)を知ることができます。ポラロイドファクターで有名なポラロイド事件の裁判についても書かれています。
 
 
ただ、この書籍のもったいない点として、解説がなさすぎる、というのがあります。
 
例えば、各裁判例を説明する前に、アメリカ独特のコモンローに基づく法制度、連邦法と州法の違い、アメリカ商標法制度、アメリカ特有の司法制度や税関制度、以上のことについて、まず簡潔に説明をしておくべきと思います。この書籍を読む人全員が、これらの知識を全て持っているとはかぎらないからです。もっともこれだけでもそれなりのページが必要になりますが、それでもすべきだと思います。
 
「この書籍を読む人はこれらのことは当然知っているから不要。」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。また、これらのことを知らなくても、一応裁判例を理解できなくはありません。でも、ちゃんと理解できているのでしょうか。私を含め、おそらくほとんどの方が、中途半端にしか理解できていないと思います。少なくとも、日本の裁判とは同じように考えてはいけないことを前提として読むべきです。
 
また、裁判例にしても、アメリカ人の方が裁判例の内容をまとめた英文(左ページにあります)を、ただ訳しているだけです(右ページにあります)。時々訳者の方の注がありますが、それでもごくごくわずかです。しかも、訳が必ずしも上手いとは思えません。これは間違った理解をする要因だと思います。ですから、解説欄を設け、ちゃんと補足説明をすべきだと思います。
判例は100ありますが、それを50ずつにわけ上下刊にして、そして裁判例を減らした分解説欄を充実させるべきだと思います。当然コストはかかり、書籍代はかなり高くなるに違いありません。しかも2冊分になるわけです。でも、現在の中途半端なものよりははるかにましになると思います。
 
 
意外にも、日本において米国商標判例の書籍はこれまでなかったようです(部分的に書かれたものならあります。)。その意味でも非常に画期的な書籍だと思います。ただ、何度も書きますが、今のままでは中途半端です。おしいです。せっかくこのような素晴らしい書籍を出版したのです。ならば、もし次をだすならば、もっと素晴らしい内容のものにしていただきたい、もっと充実した内容の全面改訂版としてだして欲しいです。
 
 
 
【追記】
この書籍をあらためて読んで思いました。もうひとつのこの書籍のもったいない点ですが、それは「翻訳の酷さ」です。日本語訳を読んでもすぐには文章を理解できず、結局英文を読まないと理解できないという、ある意味本末転倒なところが、なんとも…残念です…。