知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 42問目及び43問目

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、42問目及び43問目を説明します。


42問目と43問目は、米国で行った連邦商標登録出願の拒絶理由通知についての問題です。


前回を前提として説明していきます。


まず、42問目です。これは、「日本企業X社のこの出願が拒絶される理由」について「適切」なものを答える問題です。

各選択肢に目をとおすと、選択肢アは一般名称について、選択肢イは出所混同について、選択肢ウは(商標の)表現について、選択肢エは不道徳、欺瞞的、中傷的なマーク(商標)について、述べられています。
ここで、前回の(2)を踏まえると、選択肢アと選択肢イは関係なく、選択肢ウと選択肢エのどちらかが正解と考えられます。そして、選択肢ウの文は、前回の(2)のような(商標の)「記述的」な表現について書かれていると考えることもできますが、しかし、選択肢の文だけではなんとも言えません。
そこで、拒絶理由通知に再度目を通します。すると、選択肢ウの「その商品がターゲットとする特定の顧客を直接的に表現している」の部分は、拒絶理由通知の下から3行目の文に書かれていることがわかり、また、選択肢エの不道徳、欺瞞的、中傷的なマーク(商標)については、拒絶理由通知のどこにも書かれていないことがわかります
なお、付け加えますが、拒絶理由通知全体を読むと、選択肢アの一般名称と選択肢イの出所混同についても、全くふれられていないことがわかります。

以上のことから、選択肢ウが正しくて「適切」で、ウが正解と考えることができます。公式解答もウが正解となっています。



続いて、43問目です。これは、「米国特許商標庁から受けた拒絶理由通知へのX社の対応」について「適切」なものを答える問題です。

各選択肢に目をとおすと、選択肢アは指定商品・指定役務の内容の具体性について、選択肢イは指定商品・指定役務の性質(というより特徴)について、選択肢ウは商標の指定商品・指定役務の混同について、選択肢エは類似の商標が登録されていることについて、述べられています。
ここで、前回の(2)を踏まえると、選択肢アと選択肢ウは関係ないことがわかります。また、選択肢エは、文の内容自体が正しくないと言えます。拒絶理由通知に対する対応として全くおかしいです。ある商標が登録されていて、X社が出願した商標がその商標に類似しているからといって、そのX社が出願した商標も登録されるということなどありえません。これはむしろ、自ら「登録しないでくれ」と米国特許商標庁にアピールしているようなものです。
以上のことから、選択肢ア、選択肢ウ、選択肢エは間違いと考えることができ、よって消去法で選択肢イが残ります選択肢イにつながるようなことは、拒絶理由通知には直接的には書かれていませんが、拒絶理由通知を読めば、選択肢イの文は「拒絶理由通知へのX社の対応」として妥当な内容と考えることができます

以上のことから、選択肢イが正しくて「適切」で、イが正解と考えることができます。公式解答もイが正解となっています。