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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 39問目

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は39問目です。


39問目は、「米国商標権ライセンスにおける『Naked License』に関する解釈」についての選択肢で「不適切」なものを答える問題です。


「Naked License」なんて、聞いたことありますか?私は、セミナー等で過去に2回ぐらいこの言葉を聞いてはいますが、その時は別に覚えておく必要はないだろうと思い、ちゃんと説明を聞いてませんでした。まさか、これが出題されるとは?


米国では、商標がライセンス、あるいは譲渡される場合、単にその商標だけでなく、その顧客吸引力たる暖簾(good will)も同時に一緒に、ライセンス、あるいは譲渡されなければなりません。このあたりは御存知かと思います。そして、ライセンスの場合は、商標権者(ライセンサー)は、ライセンシーに対して品質等の管理をしなければなりませんランハム法(米国商標法)で義務付けられています。

日本では商標の機能に品質保証機能がありますが、これは、商標ライセンスにおいて、米国のように商標権者(ライセンサー)が、商標権者の商標が付されたライセンシー提供商品について品質の管理をすることが法で義務付けられているということ、というわけではありません。全く関係ないものです。別な言い方をすれば、日本では、商標名を貸すだけの商標ライセンスもできる、ということです。管理義務もありません。

そして、この「Naked License」は、商標権者の権利「放棄」とみなされる可能性があるのです。実際判例もあります(Dawn Donut事件)。


以上を踏まえ、各選択肢をみていきます。

選択肢アは正しいです。ランハム法(米国商標法)の条項そのものを確認してはいませんが、その条項により、ライセンサーである商標権者が、その商標をふされたライセンシー提供製品の品質管理をすることを義務付けています。
選択肢イは正しいです。選択肢イの文のとおりです。この義務は「消費者保護」のためです。消費者は、製品の品質や価値等が化体された商標(ブランド)を信頼して、その製品を購入します。もし、商標権者(ライセンサー)の所有する商標(ブランド)と比べ、その商標がふされたライセンシー提供製品の品質や価値等が劣悪なものならば、結果その商標を信頼して購入する消費者を騙すことになります。だから、商標権者(ライセンサー)には、ライセンシー提供製品の品質管理をしなければならない義務があるのです。
選択肢ウは正しいです。前述のとおりで、品質コントロール(管理)をせずに、ライセンシーに商標ライセンスをあたえるのは、ライセンサーたる商標権者がその商標権を放棄したとみなされる可能性があります。
選択肢エですが、試験当日、私にはこの選択肢エが最初は正しいか間違いかわからず、それで私は消去法でまずおそらくこれは間違いだろうと思いました。落ち着いて考え直したところ、この選択肢エは、「書面によるライセンス契約でない商標ライセンスは、その法的効力はなく、『Naked License』になる」かどうかを問うているのではないか、と考えました。ライセンス契約が「要式契約」である必要があるかどうか、ということです。私は、アメリカでも、契約書類がなくても商標ライセンス契約は認められるに違いない、と考え、その点で、やはり選択肢エが間違いだと考えました。後日、前述のDawn Donut事件についての記述を見つけ読んだところ、そこでは、「ライセンス契約(での管理義務条項)は明文で義務化されている必要はなく、実際に管理がなされているかどうかが重要である」と判示されたと書かれていました。


以上から、選択肢エが間違いで「不適切」と判断でき、エが正解と考えられます。公式解答も、エが正解です。