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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 20問目

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は20問目です。

 
20問目から21問目は、商標権売買契約についての問題で、その商標権売買契約書を例示され出題されています。
前提として、
①X社は、自社が保有の商標権を、Y社に売却する契約を締結
②X社とY社は、商標権売買契約書を取り交わす
③①②に基づき、X社とY社は商標権移転登録手続を行う
④Y社は、約定(契約)での支払期日にその商標権を支払っていない一方、Y社の本社にある工場で商標権に係る標章を付した製品Aを製造として販売
とあります。
 
20問目は、「X社がY社に対してとり得る法的手段についての検討」に関する選択肢で「適切」なものを答える問題です。
 
選択肢アは正しいです。契約書に支払期日が規定されている場合、その期限を徒過して支払いがなされていないとしても、相当の期間を定めてその支払いの履行を催促しない限り、契約解除はできません。この契約書の場合は、期間の定めのある契約となります。この場合、相当の期間を定めて契約履行の催促をした上でないと、X社は本契約の解除はできません。いつでも自由に契約を解除できるのは、期限の定めのない契約の場合です。
選択肢イは間違いです。契約を解除すると、原則その契約は遡及して消滅します。契約が遡及して消滅するわけですから、その債権も債務もなくなり契約は最初からなかったことになります(また既に履行した債務(履行された債権)については、原状回復義務を負う、つまり履行前の元どおりの状態にしなければならなりません。)。ですが、債務不履行の場合は、契約解除ができるともに、Y社の債務不履行によりX社が損害を被ったならば、X社にはY社に対する損害賠償の請求が認められます
選択肢ウは間違いです。売買代金の支払の遅延による損害金の起算点は、支払期日の翌日です。なお、この契約書では、遅延損害金についての規定がないので、商法上の規定が適用されます。年6%の割合の遅延損害金も、これによります。いわゆる法定利率です。
選択肢エは間違いです。Y社が売買商標権をZ社に売り渡し、Z社に対する売買商標権の移転登録が完了した場合、すでに契約の履行が完了してしまった以上、その後で(X社はY社に対して)本契約を解除することにより、売買商標権の返還を受けることは原則できません
契約の履行完了後に、いまさらその契約を解除することは原則できません。(売買商標権の移転登録の完了も含めた)Y社がZ社に商標を売り渡したのは、X社とY社の売買契約の履行がすでに完了した後なのですから、その解除は無理で、売買商標権の返還を受けることはできません。
もっとも、例えば売買した商標権の内容に瑕疵がある場合などは、すでに売買商標権の移転登録が完了していても、瑕疵担保責任による解除(とそれによる原状回復義務)が認められる場合(よって売買商標権の返還が認められる場合)もあるでしょう。
 
 
よって、選択肢アが正しく「適切」なので、アが正解です。
 
 
20問目は、民法、商法における契約の問題ですね。
 
 
 
 
20問目の各選択肢の解説をする以前に、この設問に例示された契約書に、「解除条項」がないことがちょっと気になっています。これがなくても、この設問には関係はないので、別にいいのですが、実務としてはちょっと、です。