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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第23回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 17問目

第23回知的財産管理技能検定 第3回1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は17問目です。

 
17問目から19問目は、商標使用許諾契約書(案)についての問題で、その商標使用許諾契約書(案)が例示され出題されています。
前提として、
①飲料メーカーX社は、「ピース」なる商標権を保有
②小売事業者のY社は、X社に対して、同商標をY社のプライベートブランドとして使用したいと申し入れる
③X社はY社に対して、使用許諾については交渉可能であると返答、併せて前述の商標使用許諾契約書(案)を送付
とあります。
 
17問目は、「商標使用許諾契約書(案)に対するX社の担当者の見解」について「適切」なものを答える問題です。
 
選択肢アは正しいです。まず登録された商標は、カタカナの商標「ピース」であって、アルファベットの商標「PEACE」ではありません。ですので、商標「ピース」の使用許諾はできても、商標「PEACE」の使用許諾をすることはできません。ですので、Y社の希望を認めることは問題になる可能性があります。カタカナ商標「ピース」とアルファベット商標「PEACE」は、類似(禁止権の範囲)だとしてもけっして同一(専用権の範囲)ではありません。この点は要注意です。まあ、このあたりは、商標の使用についての非常に奥が深い話になりますので、またの機会でもあれば詳しく書きます。
選択肢イは間違いです。例え、X社にとって「競合する他社」の製品ではなくとも、またそれが契約範囲内の商標の使用であるとしても、X社でもY社でもない第三者たる他社製製品にまでY社がX社から使用許諾された商標をふして使用することが許されてはいない、と考えられます。例えば、OEMの場合で、第三者たる他社が作った製品を、Y社がX社から使用許諾を受けた商標を付して販売する場合は、それについての使用許諾をY社はX社から別途得なければなりません。そうしないと、本契約書第3条第3項にある、「X社の承諾なきY社による第三者への商標の再使用許諾」に該当し、第3条第3項違反となる可能性があります。
選択肢ウは、実は微妙で判断にまようところですが、私は間違いだと考えました。許諾商標の「広告」への使用については、「本契約書」の第2条に「明示」されていませんから、本契約では認められていない契約範囲「外」での使用だと考え、この使用は認めらないと判断しました。これに対して逆の考え方があります。販売における商標使用行為の中に「広告」は含まれるという考え方契約書に具体的に書かれていなくても広告行為は「黙示」的に認められているとの考え方、です。しかし、次の第3条第2項に「前項において明示的に定める以外の権利を有しない」とあります。その前項(第1項)では、「前条で定める範囲で(途中省略)許諾する。」とあります。ですから、その前条(第2条)で書かれていないことは認められない、「黙示」ではやはり認められない、と私は考えます。もし私がライセンシー側の契約担当者ならば、条項をあいまいなままにせず、念のために、定義内容確認をした後、契約書上でちゃんと明文規定化します。なお、商標法上の「使用」の定義では「広告」行為も「使用」に含まれます(第2条3項8号)が、本契約書における「広告」への商標使用行為が許諾されているかどうかはまた別の問題です。
選択肢エは間違いです。『第3条第2項「明示的に定める以外の権利」の文言の趣旨が不明』とありますが、前述のとおりで、「明示的に定める以外の権利」の前に「前項において」とあり、その前項には「前条で定める範囲で(途中省略)許諾する。」とあり、その前条には本商標の使用許諾の範囲が明確に明示的に規定されています。ですので趣旨が不明ということはなく、指摘どおり削除しなければならないことはありません
 
 
よって、選択肢アが正しくて「適切」なので、アが正解です。