知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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【再考】第20回1級ブランド専門業務学科試験 問18選択肢ア及びイについて その2 (ついでにウ、エも)

(一回とんで、前々回の続きです。)

さて、選択肢アを見ていきます。
この選択肢アの文章ですが、私は、「意匠の出願の際に提出すべき図面において、省略できるものの説明」の文章である、との結論にいたりました。
そして、前回書いた⑷の「左右側面図」についてはこの選択肢アの文章で説明されていても、⑸については説明されていないので、この選択肢アは間違いになるのかな、と考えました。この選択肢アの文章が「自動車の意匠について」であるのは、おそらくこういうことだからなのではないでしょうか。

ただ、この選択肢アに書いてあること自体は間違ってはいないと思います。説明が足りないだけです。問18選択肢アは、私が考える「説明が足りないので間違い」のパターンなのではないか、と思います。


次に、選択肢イについて考えてみます。
この選択肢イも、書いてあること自体は基本的に間違ってはいないと思うのです。 ただ、説明が足りないと思うのです。以前にも書きましたが、選択肢イの文章の中に「願書の記載については、これら以外はすべて全体意匠の場合と同じだ。」という一文があるのが私にはひっかかるのです。
この文に続く次の文で、部分意匠での図面の描き方についての説明があります。この描き方自体は正しいと思いますが、このような描き方をした場合には、願書にその描き方をした旨の記載をしなければならなかったはずです。願書の【意匠の説明】の欄には、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」というような記載が必要なはずです。
そのことを書かずに、「願書の記載については、これら以外は『すべて』全体意匠の場合と同じだ。」(『』は、私が書き加えました。)と選択肢イの文で言いきるのは、私は間違いだと思います。選択肢イに書かれたこと自体は正しいですが、「すべて」と言い切るには、説明が足りないと思います。
ですので、問18選択肢イは間違いだと思います。結局、選択肢イも、ある意味、私が考える「説明が足りないので間違い」のパターンなのではないか、と思います。



ついでに、選択肢ウ、選択肢エにも触れておきます。


選択肢ウの文は、「海外での『特許』登録出願を基礎として、日本で、パリ条約上の優先権を主張して『意匠』での登録出願はできるかどうか?」の説明です。
以前にも書いたと思いますが、パリ条約上、「最初の(第一国)登録出願が『特許』→第二国においてこれを基礎とした国際優先権を主張する『意匠』の出願」については規定はされていない(『意匠』→『意匠』や『実用新案』→『意匠』の場合は規定されています。)ので、条約加盟各国の判断に任されているようです。そして第二国が日本の場合ですが、日本ではどうやら認められているようです(特許庁ホームページ資料にそう書いてありました。また、私はまだ見ていませんが、意匠法審査基準に説明があるらしいです。)。よって選択肢ウは正しいです。しかし、これを出題してきますかね。弁理士試験短答問題レベルではないでしょうか。弁理士試験、受験したことないですけどね(笑)。


選択肢エの文は、「補正と要旨変更について」の説明です。
乱暴に簡単に書けば、「要旨変更にならない補正は認められる」ということです。
そこで気になるのは、「願書の『意匠に係る物品の説明』の欄を追加して、この香水瓶の使用方法の説明を記載したり、図面を追加したりする補正をすることは、『必ず』要旨変更に該当する」(『』は、私が書き加えました。)の部分です。
確かに、この場合は要旨変更になる可能性は高いかもしれません。しかし、さすがに「必ず」ということはなく、この場合でも補正が認められる場合はあるでしょうから、よって選択肢エは間違いなのだと私は考えます。
まあ、意匠の補正については、実際に経験していないので、正直いまひとつわかりませんですが、おそらくこういうことではないかと思います。




前回と今回で、問18について書きました。
問43、44、45についても、再考したいのですけどね。これらについては、(特に問43、45は)本当にわかりません。誰か解説してくれないでしょうか。心からそう願っています。