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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

引用(原文引用、意訳、要約)について (追記有)

著作権法に関することを、ネットで検索していたら、興味深いサイトを見つけました。そのサイトは、アクセルレイトという会社のサイトで、引用(原文引用、意訳、要約)について書かれていたページがありました。
そのページには、「日本の著作権法制度とアメリカの著作権法制度とではアベコベ」と書かれています。どういうことなのでしょうか?


このサイトページに書かれていたことによると。

学生がレポートを作成するというシチュエーションで、以下の3つのうち、アメリカの著作権法制度上認められていて、日本の著作権法制度上認められていない引用はどれでしょうか?

①原文そのままの引用
②意訳
③要約

正解は、②の意訳と③の要約です。
日本では、引用は認められていますが、それは①のとおり「原文そのままの引用だけ」です。そうでない引用は許諾なき改変行為となり、翻案権の侵害になります。ですから、日本では、②意訳や③要約の要素が入る引用は認められません。もちろん、著作(権)者の許諾を得て意訳や要約をするならば、話は別で、問題はございません(著作者人格権の同一性保持権は不行使ですね)。


ですから、日本では、例えば一旦原文をその原文のまま引用した上で、後から「これは、わかりやすく書くとすると、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ということではないでしょうか。」などと書かないと、著作権法違反になってしまう、ということなのでしょう。

逆に、アメリカでは、「A氏は、その著作書籍Bの中で、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯と書いているが」というような感じで、「意訳、要約した形でレポートに引用ができる」ということのようです。
これは、アメリカ著作権法制度の「フェアユース」の考えによるものだそうです。


先に書いたサイトによると、これは日米の教育や学問に対する考え方の違いによるもの、だそうです。

アメリカでは、学生がレポートを書く際、参考にする論文等の原文をそのまま引用することは、教育上、学問上、ダメとされる行為だそうです。原文のまま引用すると、お前は参考にし引用した論文を本当にちゃんと理解したのか、と批判されたりするそうです。要約でも厳しく評価され批判されるらしいです。ですから、意訳するのはアメリカでは当然のことのようです。そして、これを「フェアユース」として著作権法違反にはならない行為としているわけです、アメリカでは。

翻って日本。日本では、著作権法制度を厳しくとらえられていて、原著作物の改変となるやり方での引用は許されていません。ですから、原文のまま引用しなければならないのです。
ですが、日本人学生が、日本のやり方の原文引用部分があるレポートをアメリカの大学でだしてしまったなら、前述の理由で批判されてしまい、その論文は低く評価されてしまうようです。


今回の、意訳、要約については、私は、日本の著作権法制度の考えは、型にはまっていてダメだと思います。少なくともレポートの引用では、意訳、要約の引用も許されていいのではないでしょうか。アメリカ著作権法制度の「フェアユース」の考えを私は断然支持します。




なんと、日本の学会では、同一性を損なわない程度の要約は認められいるらしく、翻案権の侵害にもならないらしく、よって要約の引用が認められているらしいです。

また、日本では、私的複製のための使用や、教科書掲載、学校での複製等、一定の場合に限り、翻訳をはじめ変形、編曲、翻案の行為が自由にできるそうです(詳しくは著作権法第43条を御参照ください。)(以外に追記有)

それなりに考えられてはいるようです。


◯追記

著作権法第43条を正しく読んでいなかったため、説明が足りませんでした。この条文では、「引用」については「翻訳」しか認められていないことになります(第43条第1項2号)。

あと裁判例では、地裁レベルですが、意訳要約の引用を認めたもの(「血液型と性格の社会史」事件裁判)があります。