知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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東京五輪の観光案内の制服について

7月5日(日)のフジテレビのワイドナショーにて、「東京都が発表した、2020年の東京五輪での、観光案内の制服があまりにダサくて、それをデザインしたデザイナーが仕事に支障がでるほどのクレームにさらされた。」というニュースがありました。

私は、このデザイナーのデザインが悪いというよりは、東京都側が手を加えた部分があまりにダサく酷いだけではないか、と思いました。デザイナーのデザイン自体は、めちゃくちゃ良いとは思いませんが、クレームになるほど悪くはないと思います。


東京都が公式発表した制服は、著作権的に言えば、手を加えられ改変された「『二次』著作物」といえるでしょう。もちろん原著作物は、デザイナーのデザインです。
まあ、契約の段階で東京都はデザイナーから「制服を作る際、東京都はデザインに手を加えてよく、改変していい。」と許諾を得ているとは思います。もし、そうでなければ、デザイナーが東京都を相手どって裁判をおこしたら、おそらく東京都は著作権違反でデザイナーに対して何らかの対応をせざるを得なくなりますから(裁判で認められれば、差止はもとより、デザイナーの他の業務に支障がでて損害が発生すれば、その損害の賠償をしてもらえるわけです、理屈上。)。ですから、東京都はデザイナーからちゃんと許諾を得ているとは思いますので、少なくとも「デザイナーと東京都の間の著作権問題」はクリアしているとは思います。


ただ二次著作物のせいで、原著作物の著作者が非難にさらされるのはどうなのかな、と思います。

例として。7月5日(日)、日本テレビで「デスノート」のTV版の放送が始まりました。まだ始まったばかりですが、一部の人には不評みたいです(私は、第1回の放送を見た限りでは、TV版の肯定派です。)。それはともかく、このTV版デスノートが仮にひどいとして、だからといって当然ですが原作の漫画デスノート(及び映画版、アニメ版)がひどいことにはけっしてなりません。と言いますか、ほとんどの方々は、原作漫画版(及び映画版、アニメ版)はちゃんとリスペクトしていらっしゃいますよね。だから、TV版デスノートが仮に悪くても、原作漫画版(及び映画版、アニメ版)を悪いと非難する人はいませんよね。
原著作物と二次著作物は、関連していても別々に評価されなければならないと思いますし、実際そうされていると思います。

そして、これは、今回の制服問題も同じことです。東京都が発表した、二次著作物といえる制服がダサいからといって、原デザインのデザイナーを批判するのは全くの筋違いです。
もし、原デザイナーのデザインが酷くてそれを批判するのであるならば、原デザインのどこがどうわるいか、その点を明確に説明した上で批判するべきではないでしょうか。
ただ「この制服はだめだ。酷すぎる。」というだけならば、美的センスのない私でもできます。