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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

商標の機能についての再考察

第20回知的財産管理技能検定   第2回1級ブランド分野学科試験の43問目に影響を受け、あらためて自分なりの「商標の機能について」再考察してを書くことにしました。


まず、私は、「商標は、本来『表示』機能しかない。」と考えます(「表示」と書くと、視覚的なものに限られそうに思われてしまうかもしれませんが、もちろんそうではありません。)。
例示しますと、トヨタの自動車のプリウス。本来「プ・リ・ウ・ス」と4文字のカタカナによる名称を表示しているにすぎません。最初にこのプリウスという言葉を認識した人は、いきなりトヨタの自動車の名前とわかったでしょうか。トヨタが自社の自動車にこの名称を使ったからこそ、「トヨタの自動車『プリウス』」とわかったのではないでしょうか。つまり「商標の使用」です。
とまれ、究極的には、この「表示」機能「だけ」が「商標の機能」だと私は考えます。これこそが、商標の始原的本質的機能だと思います。いわゆる「出所表示機能」「自他商品役務識別機能」等は、「『表示』機能」の派生的な機能にすぎない、と私は考えます。


これを基本として、いわゆる一般的にいわれる商標的機能をみていきたいと思います。

順序からいうと、まず最初は①「出所表示機能」です。これは、「『同一の』出所からの『同一の』商品役務を表し示す機能」です。
これは、商標を使用してはじめて、商標にそなわる機能といえると思います。特許庁に登録しただけではそなわらない機能といえるでしょう。「プリウス」でいえば、トヨタが自社がつくる自動車に「プリウス」と名付け、商標名称を使用し、広告等で世間に周知せしめて、はじめて皆が「プリウス」という名称を「トヨタのあの自動車だ」とはじめて認識するようになる、といえるのではないでしょうか。こうして「出所表示機能」がそなわると私は考えます。

その結果として、あるいは①の機能の裏表関係として、②「自他商品役務識別機能」がでてくると私は考えます。これは、「商標のその表示をもって、自らの商品役務と他者の商品役務とを、消費者に識別させる機能」です。①で「プリウス」が、「トヨタのある自動車」のことを指すようになるわけですが、これは「プリウス」が「トヨタの他の自動車」あるいはホンダや日産の自動車ではないことも、あらわすことになります。これが②「自他商品役務識別機能」です。

そして、大事なこととして、先に①があり次に②があらわれる、あるいは①と②がほぼ同時にあらわれるものであり、間違っても先に②があり次に①があらわれるものではない、と私は考えます。
これまでの一般的な商標の機能の説明では、ほとんどにおいて②が先に説明されます。さらに、②こそが一番重要な機能と説明されます。確かに②は大事ですが、一番最初に説明すべきものではないと私は考えます。商標において、重要な大事な機能ですが、一番に説明するべきではなく、①こそが一番最初に説明するべき機能ではないかと、私は考えます。
また、①と②は、裏表の関係にあり、密接な関係にあるとは思いますが、機能としては別だと思います。①は、その商標をふせた商品役務は、商標が同一である限り、その商品役務の出所は同一であり、その商品役務はその商標がふされている限り同一である、つまり商標の機能が持つ商品役務の「同一性」を述べています。②は、自社と他社の関係において、自社のこの商標をふせた商品役務が、他社の同種の商品役務とは別のものであると、商標を認識した人にわからせる機能である、つまり商標の機能が持つ商品役務の「識別性」を述べています。だから、①と②は別ものだと、私は考えます。


そして、①②から派生して、③「品質保証機能」、④「広告宣伝機能」がでてきます。
③「品質保証機能」は、「同じ商標が付された商品役務は、同じクオリティの商品役務であると認識させる機能」です。
④「広告宣伝機能」は、「商標を認識することで、ある商品役務が連想される機能」です。
③については、「プリウス」という名称の自動車はどれでも、「同じ性能機能をもっている」、「どれも同じ品質である」、ことを意味します。
④については、「プリウス」という言葉を認識すれば、トヨタのあの自動車が思いだされる、という機能です。

そして、さらに最近では商標の機能として、⑤「財産的機能」が言われています。「商標そのものに財産的価値がある」ということです。
例えば、ファッションブランド等でのライセンス、です。最近は、日本現地法人を直接つくるケースがかなり、増えてきましたが、かつては日本企業が、ただ輸入販売するだけでなく、日本企業が独自に海外ブランド名称商品をつくり販売していました(かつてバーバリーがそうでしたね。おそらく、今でも、他にもそういうケースはあると思います。)。この場合、日本企業は海外ブランド企業と、ブランドライセンス契約を締結し、ブランド商標を使用した商品を独自に製造し販売するわけです。そして、日本企業は海外ブランド企業に、ブランド商標使用料を支払うわけです。この「ブランド商標使用料」こそが、商標の「財産的機能」が体現されたものの一つです。これは昔からあったものですから、私も今更何を言いだすかとは思いましたが、最近は商標の一機能として、あらためて明確化されているようです。