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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第2回1級ブランド専門業務学科試験問題 自分学習用解説 34問目&35問目

今回は34問目&35問目です。


第20回知的財産管理技能検定   第2回1級ブランド分野学科試験の自分勉強用解説、34問目&35問目について書きます。

34問目&35問目は、海外企業との英文ライセンス契約書類についての問題です。


34問目は、この英文ライセンス契約における顧問弁護士が指摘する問題点の内容についての問題で、「(問題点の指摘として)適切」な文章内容の選択肢を選ぶ問題です。

ただ、この問題は良くないと私は考えます。それは、私が思うに、この問題は、顧問弁護士の指摘が「契約書の文面表現として問題があるかどうか(この問題の場合矛盾点があるかどうか)」を問うていて、契約内容そのものについての是否は問うていないからです。この問題の選択肢では、そのあたりの判断において変な意味で難解だと思います。付け加えて、契約内容そのものの是否は、契約当事者でない限りわからないということもあります。

さて、問題を見ていきましょう。
選択肢アは問題ありません。契約書面には’non-exclusive’と記載されていますから、この契約は非独占的ライセンスです。そして、こう書かれていますが、これが契約上問題があるかどうかはわかりません(問題があるかどうかは、契約当事者がどう考えるか次第であり、それは当事者以外にはわからないことです。)。ですので、問題点の指摘としては「不適切」です。
選択肢イは問題ありません。契約書には、’Licensee desires to use the ”Mark A”  (途中略) in connection with the development, operation, marketing, distribution, and publishing of computer games’とあります。そして、次の文で’Licensor grants to Licensee(途中略)to use ”Mark A” in connection with Licensee’s products’とあり、また、第1条で’Licensor hereby grants (途中略)in connection with promotion,(途中略)and sale of the computer games developed by Licensee’とあります。つまり、「(X社はY社に対して)Y社が開発するゲーム以外の商品に対してライセンスの供与はしていない」といえると思います。もっとも、これは「X社とY社の関係において」です。そしてこの点は選択肢の文には書かれていません。
もしかしたら、選択肢の文は、X社が他の第三者の企業の商品に対してライセンス供給をしている、ということなのかもしれません。しかし、これについても、選択肢の文はおろか、設問文からも、契約書面の文からも、知るよしがありません(「非独占的ライセンス」であることからその可能性はありえますが、確実に他社にライセンスしているとはいえません。)。そうなると、やはり選択肢の文の弁護士の指摘はおかしいと、判断するしかないと思います。
そして、契約書面の内容そのものについては、契約当事者同士が決めることで、問題があるかどうかなどわかりません。ただ、契約書面の文面表現上問題はないと考えられる以上、選択肢イは問題ないと判断できます。ですので、問題点の指摘としては「不適切」です。
選択肢ウは問題があります。契約書には、’Licensor is the sole owner(途中略)throughout the United States, Japan, and the European Union’、つまり商標権者(ライセンサー)は「米国、日本、EUにおける」単独のオーナーと書かれています。そうであるにも関わらず、次の文で’to use the ”Mark A”  worldwide’と書かれていることから、ライセンシーはライセンサーに対して「世界中での」使用を求めていることがわかります。そして、第1条において、’Licensor hereby grants (途中略)worldwide license’と書かれていることから、その権利がないのにもかかわらず、ライセンサーはライセンシーに対して「世界中での」使用を認める、という内容の契約となっています。これは「契約書面上の矛盾点」であり、問題があります。
選択肢エは問題ありません。この契約書面は、契約書のタイトルに’LICENSE AGREEMENT’、つまりライセンス契約書と書かれています。そして、この書面には譲渡契約とはどこにも書いてありませんし、そもそも第1条に、’No ownership transfer is taking place under this Agreement.’とありますから、逆に譲渡契約であることを否定しています。だからこの選択肢エの文内容自体がそもそも間違いです。ですが、これは弁護士の指摘が間違っているだけで、この契約が契約書面上「ライセンス契約」であることには問題はありませんし、また契約当事者でない限り「ライセンス契約」であることに問題があるかどうかなどわかりません。ですので、問題点の指摘としては「不適切」です。

よって、選択肢ウは、契約書面上の矛盾点を問題点として指摘しているので、「適切」で正解です。

34問目は、選択肢イといい選択肢エといい、このような選択肢はわかりにくく良くないと思います。だって普通契約書にちゃんと明記されていることと異なることを弁護士が指摘するとは思わないでしょうから。こういう混乱させる形の文を選択肢に書くのは、受験者に対して不用に無駄に時間を使わせるだけであり、出題不適切であり悪問的でさえあると考えます。もっとうまい出題の仕方を考えるべきではないでしょうか?


35問目は、(ブランドの不正使用や希釈化を避ける)ブランド保護強化のため、ライセンス契約にどのような新しい条項を増やすかについての問題で、「不適切」な文章内容の選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは正しいです。X社がY社に対して®マークの使用やUSPTOへのライセンス契約の事実の登録を義務づけることは正しいです。
選択肢イは間違いです。ロイヤルティについての設定は、本契約書の条項ですでにされていますので、そもそもあらたにミニマムロイヤルティの設定についての条項を増やす必要はありませんし、これがブランド保護の視点で大事なこととは思えません。
選択肢ウは正しいです。「事前の書面による同意なくして、Y社が第三者に対して、商標「Mark A」の使用を付与、移転又は譲渡することを禁止する。」条項を増やすことは正しいです。
選択肢エは正しいです。X社がY社に対して販売する商品の事前承認(クオリティコントロール)を得ることを業務づける、この条項を増やすことは正しいです。ブランド商品のクオリティを落とさないためにこのような契約をします。

よって、選択肢イが「不適切」で正解です。