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知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

Yahooニュースでの産経新聞の記事に物申します①

改正商標法が、先日4月1日に施行となり、音商標やホログラム商標、動く商標等、いわゆる新しいタイプの商標も出願できるようになり、認められれば登録がされるようになりました。
なんと、新しいタイプの商標は、4月1日だけで、200件以上の登録出願があったらしい(その約半数は音商標らしい)です。まあ、海外では既に認められている(もちろん認められていない国もまだありますし、また、未だ日本では認められていないタイプの商標もあります)新しいタイプの商標である音商標、漸く日本でも、と感慨ひとしおです(笑)。

しかし、今回の改正商標法の施行により、世間一般レベルでは、今回の法改正内容のみならず、これまでの商標法制度すらもちゃんと理解されていないことがわかりました。商標の啓蒙は、これからもっとしっかりと行っていかなければなりませんね。


さて、この新しいタイプの商標についてのニュース、ネット上でいろいろ見かけました。

その中で、Yahooニュースに気になるニュース記事の一文がありました。これを書いたのは、産経新聞の記者のようです。
気になったのは、記事の文章の一番最後の段落で、「芸人の一発芸と音商標の出願登録」について書かれたところです。それまでちゃんと書いているのに、この最後で台無しになってしまった、といいますか、最後の最後で自らの無知無理解をさらけ出してしまった、といいますか…。少なくとも、見出しにこのようなことは書いてはいけないでしょう。「つり」と思われても仕方がありません。

この文は、こちらのURLにてお読みになれます。



しかし、「一発芸」を音商標として登録とは?なんのために?

考え方としては2通りあります。
⑴は、「一発芸を、『商品やサービスの名前』として、商標登録する」という当然の理由で、これならばわかります。例えば、8.6秒バズーカのギャグ(?)「ラッスンゴレライ」を、人気にあやかって商品名に使用したいということで、お菓子の商標として登録する、ということ等が考えられます。
ただ、これならば、別に音商標でなくてもいいわけですから、これまでの商標法制度でも、商標登録は可能です。「ラッスンゴレライ」という言葉自体は、これまでの商標法制度でも商標出願でき、認められれば、登録されます(8.6秒バズーカ本人以外の出願であるなら、許諾の必要があるかもしれませんが。)。
そしてこれならば、当然のことなので、記事にする必要は全くありません。
⑵は、「芸人の一発芸『そのもの自体』を、芸人の権利として守るために、商標登録する」です。例えば、8.6秒バズーカが、自身の芸ネタを守るために「ラッスンゴレライ」を、芸ネタそのものの音商標として登録する、ということが考えられるでしょう。
そしてどうやら、Yahooニュースに書かれている産経新聞の記事では、この意味で書かれているようなのです。


⑴なら商標登録の可能性はありますが、⑵での商標登録はありえません。


商標制度を知って理解していて、ちゃんと考えれば、このことはわかりそうなものです。おそらくこの記事を書いたであろう産経新聞の記者は、商標についてはまったくの無知、というか、無知無理解でしょう。いや、「です」と断言します。その程度のレベルの記事です。ただ聞きかじったことだけで、商標について理解ができていないにも関わらずいいかげんな記事を書いたという、記者にあるまじき行為をしています。



次回は、⑵について、なぜこれがありえないのかを、詳しく書いていきたいと思います。
②に続きます。