知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

第2回1級ブランド専門業務学科試験問題 自分学習用解説 21問目

今回は21問目です。


第20回知的財産管理技能検定   第2回1級ブランド分野学科試験の自分勉強用解説、21問目について書きます。


21問目は、ブランド名を表示する文字とイメージキャラクターについての問題で、「適切」な文章内容の選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは間違いです。著作物は、第一公表日より前に文化庁に登録しなくても、著作物が完成した段階で著作権の保護がされる「無登録主義」を日本は採用しています。登録は、例えば裁判等での証明のために行うにすぎません。なお、ゴシック体「ABC」の文字表示を登録した場合、著作権登録自体は無審査ですからもしかしたら登録はできるかもしれません。しかし、裁判では、その著作物性が争われ、登録されといたとしても裁判では著作物として認められない可能性が非常に高いです。その意味で、著作権登録制度は万能ではありません。
選択肢イは間違いです。確かに「『ABC』の文字をロゴ化した場合、デザインの程度によっては著作権法による保護が期待」できます。しかし、著作権法の保護を受けるために、©マークを表示する必要はありません。著作権法の条項上、そのような記述もありません。
選択肢ウは間違いです。イラストを描いた人が、その企業の社員であり、そのプロジェクトメンバーであり、またそのプロジェクト上の職務としてイラストを描いた以上、これは「職務著作」といえますから、著作権を譲渡されなくても、企業はそのイラストの著作権者です。この点は特許における「職務発明」と異なりますので、御注意ください。
選択肢エは正しいです。イラストも商標になりえます。商標のケースにそのイラストを表示する予定であるなら、商品の販売が半年後でも、このイラストをすぐに商標登録出願しておくべきです。おそらく登録は半年後よりも後になり、権利侵害に対する権利行使は登録されてからでないとできませんが、少なくともこの登録出願により他社の同一類似の商標登録出願を防ぐことにはなりますので、すぐに登録出願すべきです。

よって、選択肢エが「適切」で正解です。