スクエニ著作権侵害事件はどうなったのだろう?
でも、現在の社会においては、漫画家は、最低限必要な著作権の知識は持つべき、と私は考えます。漫画家に限らず、世間一般にいう「クリエーター」と呼ばれる職業の方々は、最低限必要な著作権の知識を持つべきだと考えます。それが「自らが他人の著作権の侵害をしない、他人に自らの著作権を侵害されない、つまり著作権侵害事件に巻き込まれない」ための最初の一歩だからです。もはや「著作権は知らない」では済まされない時代ではないかと、私は考えます。
さらに言えば、著作権について知識がない、あるいはその点について他人まかせのクリエーターは、もしもの時にどうなっても知らない、最悪多額の賠償金を払う、著作権法違反で刑事的に有罪になる、その覚悟を持つべきだし、そうなっても仕方がないと私は考えます。
確かに著作権法制度はけっして簡単ではないですが、必要最低限のことぐらいは勉強すれば理解できます。また、仮に著作権を知らなかったとしても、法は法です。知らなかったで許されるわけはありません。知らなければ犯罪は許されますか?そうではないでしょう。
ただ、著作権は親告罪です。被害当事者が訴えなければ、刑事事件として警察は動くことができません。
漫画家は、よほどのビッグネームで売れていない限り、出版社より立場が低いという意見があります。だから、出版社から「著作権をクリアーした」ときかされれば、それを信用するしかない、と主張される方がいました。だからといって、いいかげんな出版社の対応に巻き込まれて損をするのは、漫画家自身なんです。それならば、自分を守るためのことはしておかないとだめだと思います。
また、昔と比べ、出版業界は著作権について良くなってきているという意見がありますが、それはごくごく一部だけの話ではないでしょうか。ましてや、ゲーム業界なんて、さらにごくごく一部だけでしか、著作権をまともに理解しておらず、ちゃんと対応できていないと、私は聞いております。
自社の不利益になることについてだけは、ものすごく著作権を勉強しているらしく、それについては必要以上にいろいろ主張する(時にはとんでもない主張をするらしいです。)様ですが、他人の著作権を自らが侵害している場合については、全く自覚がなく本当に無頓着でいる、それがいわゆる「ギョーカイ」の様です。
まあ、出版業界、ゲーム業界に限らず、レコード業界や放送業界、IT業界、いわゆるコンテンツ業界の著作権に対する認識と対応なんざこんなものらしいです。まともなのは、ほんのごく一部だけみたいですから。
こんなんでクールジャパンを世界にアピールしようとしている日本、おかしくてちゃんちゃら笑っちゃいます。著作権法制度自体は日本と比べはるかに未熟でも、それを契約でカバーして、少なくとも契約当事者間では、問題をクリアーにしてトラブルを未然に防ぐアメリカの方が、ある意味ましでまともに思えてしまいます。法は立派でも、実際にはダメダメな日本と、果たしてどちらがいいのでしょうね。