知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

笑笑商標権侵害事件からみる知財民事刑事

以下は、あくまで、あくまで私見です。


知財の「刑事」事件が新聞やTVニュースで扱われることって、あまりないと思います。特に商標は。
ですから、今回の笑笑の商標権侵害の「刑事」事件がTVのニュース番組で取り上げられたのは、少し驚きました。

あくまで私の個人的な考えですが、知財侵害は、できることなら「民事」で解決を図るべきだ、と思います。そしてどうしても民事で解決を図ることができない場合に限り、止むを得ず刑事事件として対処するしかない、と思います。。
また、極端に悪質な場合についても、これに限り、最初から「犯罪」として取り扱い、最初から刑事事件として公権力の介入を認めるべき、だとも思います。



で、今回の場合。モンテローザ(居酒屋チェーン「笑笑」の商標権をもち、その経営をしている企業)の対応は、どうなのでしょう。

おそらく、侵害をしてきた相手に対して、モンテローザは警告をしていると思います(まさかいきなり警告もせず最初から刑事事件で解決を図ろうとはしていないでしょう。)。そして、その相手に警告を無視されたのであれば、次の段階として、民事裁判に訴えるべきだと思います。
もしこれらの過程を経ずに刑事事件として解決を図ろうとしたのであれば、いささかやりすぎではないか、と個人的には思います。

相手に故意性はあると思いますから、その点では刑事事件として扱っていいのかもしれません。しかし、かたや全国規模の居酒屋チェーン、かたや広島県の福山で地元だけで1、2軒程度でやっている居酒屋、この事業規模の違い、なんかアンバランスです。解決を図るにしては、刑事事件に訴えでるなら、モンテローザは、いささか権利の濫用ではないかと思います。
笑笑がその地域に出店していて、あるいは出店を考えていて、しかし実際には混同が生じている、あるいはその恐れがある、ということなら、権利を強く主張して結果「刑事」事件になっても仕方がないとは思います。でもやはり「刑事」事件とするにはなんか違和感を感じてしまいます。
実際のところ、モンテローザ側はどのくらいの損害をうけたのでしょうか。とんでもなくひどい損害であるならば、刑事も仕方ないでしょう。でもひどい損害を受けたなら、逆に民事で訴えて損害賠償を求めますよね。
もちろん権利侵害はされていますから、その対処は当然ちゃんとしなければなりません。でも、なぜ民事で解決を図る道を考えなかったのか、私は不思議に思います。

よほど悪質でない限りは、知財は民事で解決を図るべきで、刑事はそぐわない、と個人的には考えます。