知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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知的財産管理技能検定1級ブランド学科試験サンプル問題自分学習用解説その7

知的財産管理技能検定1級ブランド専門業務学科試験サンプル問題自分用解説、今回はその7として、問13、問14について書きます。
問13は資金調達の際の知的財産権の評価についての問題で、問14は販売店契約書についての問題です。


問13は、知的財産権を担保とした資金調達における知的財産権の評価の方法についての問題で、適切な選択肢を選びます。
この説明文は「インカム・アプローチ」についての説明ですので、ウが正しく、ア、イ、エは間違いです。
よって選択肢ウが適切で、正解です。
各アプローチをざっくり説明しますと、
コスト・アプローチは、実際にかかったコストを基礎に評価するアプローチ、
マーケット・アプローチは、資産取引市場での売買事例(取引価格)を基礎に評価するアプローチ、
インカム・アプローチは、知財資産を活用した将来の収益力を基準に評価するアプローチ、
ロイヤリティー・免除法は、インカム・アプローチの一種ですが、仮に知財資産を持っていないとして将来の事業収益を算出、そこから支払わなければならないライセンス料を導きだして、これにより知的財産権評価をする方法、です。問題文にある説明文を読むと、これは、インカム・アプローチの説明だとわかりますが、ロイヤルティ・免除法とは違います。


問14は、販売店契約書についての問題で、適切な選択肢を選びます。
まず前提として、契約期間は1年間ですが、継続的に契約更新がなされていて、製品の供給がこの契約に従い販売店にされており、この関係は10年ほど続いています。これは、つまり「期間の定めのある継続的契約」です。
アは間違いです。継続的取引の場合は、契約の規定に従い、いつでも更新をやめて契約を終了、継続的な取引関係を終了できる、とは限りません。更新が通常化している継続的取引については、契約の規定にかかわらず、更新の拒絶をする場合は、やむを得ない理由や相当の通知期間をようするなどかなりの配慮がないといけません。相手方に損害を与えてしまい損害賠償をしなければならない場合があります。判例では、更新を拒絶するやむを得ない事由がない場合は、損害賠償を認めています。
イは間違いです。販売店契約の保護に関して、解約通知期間に関する法律規定条文はないからです。
ウは正しいです。アのところで書いたことからしても、ウは妥当で、相応の事由がなければ、契約の規定に従っていても、簡単に継続的契約を解除できるものではない、ということです。「期間の定めのある継続的契約においては必ずしも、契約の定めに従えばその継続的契約の更新を拒絶できたりいつでも契約解除ができる、とは限らない」ということです。
エは間違いです。継続的取引では、販売店契約は基本契約といえます。そして、ここで製品の供給を継続的に行うことを取り決めた上で、個々の単発の受発注、つまり個別契約が都度行われていて、取引は継続している、ということです。ですから、販売店契約を更新せず終了しても、以後個別契約により今後も取引関係が継続することはありません。販売店契約が終了した段階で、まだ履行されていない個別契約が履行されその個別契約が終了すれば、全ての契約関係は終わりです。
よって選択肢ウが適切で、正解です。

ちなみに、問14は、知財とか関係なく、単なる民法の継続的取引契約の問題ですね。民法からも出願するぞ、というアピールでしょうか(笑)。