知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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自分学習用解説 問題の解き方 その0番外編

以前に書きました通り、選択肢の文の説明が、一見もっともであるにもかかわらず、大事なところが抜けていて説明されていないため、その選択肢の文は間違いであると判断せざるを得ない、というパターンの問題について、説明します。
ということで、今回は「その0の特別番外編」とします。


今回は、2013年11月に行われた、第16回知的財産管理技能検定2級学科試験の問題、問24で説明します。

問題文では、「商標権の効力に関する記述として、最も適切と考えられるものはどれか。」とあります。「商標権の効力」と「適切」に丸をつけておきます。これにより「商標権の効力」と「適切」がクローズアップされ、選択肢の中で「商標権の効力に関して適切に説明している文」がある選択肢が、答えということになります。ここまでは、これまで説明したことと同じです。

では、選択肢を見ていきます。4つの選択肢全てを例示します。
今回においてもやることは変わりません。選択肢の文を要素にわけて区切ります。
まずアを見ていきます。選択肢アの全文を区切ると、こんな感じになります。
商標権者は、/その商標権の全範囲について専用使用権を設定した場合であっても、/その設定した範囲について登録商標を使用することができる。」
私は、「その設定した範囲について登録商標を使用することができる。」の部分は間違いと判断しました。
次にイを見ていきます。選択肢イも同様に区切ります。
商標権者は、/自己の商標権に係る指定商品に類似する商品について/登録商標に類似する商標を独占的に使用する権利を有する。」
私は、「登録商標に類似する商標を独占的に使用する権利を有する。」の部分が間違いと判断しました。
これらから、ア、イは正解ではない、としました。
次にウを見ていきます。選択肢ウも同様に区切ります。
「他人の商標登録出願日の前日から不正競争の目的でなく、/その商標登録出願に係る指定商品と同一の商品について登録商標と同一の商標を使用しているときは、/その使用者は、継続してその商標を使用しすることができる。
ぱっと読んで、この選択肢の文は「先使用権」について書いている、と判断できます。もし、こう判断できない方は「先使用権」を勉強し直してください。で、「先使用権」の文と判断した時、違和感を少し感じませんでしたか?以前にも書きましたが、この文には、「先使用権」の大事な要件に触れていません。それは、先に使用している商標は「周知」でないといけない、ということです。ぱっと見て正しい文ですから、注意しなければ、これには気づかないかもしれません。この「周知」という要件に触れていない以上、これを正解とするのはためらわれます。一旦保留にします。
最後にエを見ていきます。選択肢エも同様に区切ります。
商標権の効力は、/他人が商品の品質を普通に用いられる方法で表示する/商標には及ばない。」
私には全部分が正しいと判断しました。この選択肢エは適切と判断しました。
とすると、ウはやはり間違い、ということになり、そう判断しました。
ア、イ、ウ、エのうち、ア、イ、ウが間違いで、エが正しいのですから、エが答えと判断しました。実際、公式の解答は、エでした。

このことから言えることは、「選択肢で、『重要な』説明がされていないその選択肢の文は、『間違い』と判断する」、ということです。
これは、「重要な」説明がされていない場合であり、重要でない説明がされていない場合は、間違いと判断することはできない、ということです。

では、「重要」か「重要でない」かの違いは、どう判断すべきでしょうか。
今回の説明で用いた問題で言えば、「要件」が説明されていないかどうかであり、このくらいの事項なら「重要」と判断できるといえます。別な言い方をすれば、説明の際に必ず触れている事項がのべられていなければ、その選択肢は間違いと言える、ということになると私は考えています。
まあ、この種の問題は非常にレアパターンですから、あまり気にしなくてもいいといえばいいのですが。