知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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自分学習用解説 第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題 その17

第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題、自分学習用解説、今回はその17、33問目と34問目です。


問33は、特許発明を自社のみが独占実施して他社に一切ライセンスしない独占戦略(クローズ戦略)についてです。
選択肢アは正しいです。独占戦略により、自社製品のデファクトスタンダードを目指すことができます。デファクトスタンダードとは、一言で言えば「事実上の標準」のことです。JISやISO等の標準化機関が定めた規格ではなく、市場において競争され又は広く採用されることにより「結果として事実上標準化した基準」を指します。わかりやすい例で言えば、古いですが、昔のビデオテープ規格であるVHSが、まさにデファクトスタンダードの典型例です。ちなみに、標準化機関が定めた規格はデジュリスタンダードと呼ばれています。
選択肢イは正しいです。独占戦略を継続すると、他社による代替技術の開発を加速させる危惧があります。選択肢アに例としてあげたビデオテープで考えれば、ベータマックスが代替技術ですかね。もっとも開発はベータマックスの方が先ですね。
選択肢ウは間違いです。独占戦略により、速やかに市場を拡大させることができるとは限りません。独占戦略では、市場での限定的な製品普及しか見込めないと考えられています。やはり市場を拡大するにはある程度オープンにする、といいますか、他社にも独占した発明技術を利用した製品を販売してもらわないと、1社だけで市場の拡大は無理だろうと思います。
選択肢エは正しいです。独占戦略により、製品販売価格の値崩れを防止することはできます。価格をつり上げることもできるでしょう。値崩れは防止できますが、結果的に価格を下げなければならない状況は、独占戦略を採用した場合でもありえます。クローズ戦略にはクローズ戦略での、価格のコントロールための努力が必要です。ただ、独占戦略ではそのコントロールはし易いです。
よって正解はウです。
しかし、クローズ戦略、ですよ。知っていれば、問33は難しい問題ではないですが、でも1級受験者でないと詳しいことは知らないと思います。2級受験者でも結構知らない人はいるのではないでしょうか。私も、オープン/クローズ戦略の言葉は知っていましたが、詳しい内容までは知らなかったので、ビビりました。なんとか正解できましたけど。


問34は、商標法に規定する登録異議の申立て又は審判についてです。
選択肢アは間違いです。「何人も」、登録異議申立てをすることができます。
選択肢イは間違いです。商標登録を無効にすることについて審判を請求する者は利害関係がないとできない、つまり請求人は利害当事者に限られます。
選択肢ウは間違いです。商標法第50条(不使用取消審判)に規定する審判を請求することができる者は、利害関係者に限りません。
選択肢エは正しいです。商標法第51条(不正使用取消審判)に規定する審判を請求することができる者も、利害関係者に限らず、何人も請求できます。。
よって正解はエです。
なお、商標「無効」審判と商標「取消」審判の違いを理解しておいてください。「無効」の場合は、審判が確定すると、商標が最初から存在されてしまいます。
「取消」の場合は、審判が確定すると、商標は、その審判により、審判請求登録日から、乃至は審判確定後から消滅します。ネットで、商標の取消と無効の違いを検索すると、細かく違いを説明したホームページがあったりしますから、その内容を理解しておきましょう。