知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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自分学習用解説 第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題 その12 (修正有)

第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題、自分学習用解説、今回はその12、23問目と24問目です。


問23は、特許出願人による意見書の提出についてです。
選択肢アは間違いです。特許出願人が意見書を提出できるのは、新規性又は進歩性を有しないとの拒絶理由の通知に対して応答する場合だけに限られません。意見書は、審査官からの拒絶理由の通知に対して特許出願人がそれに反論をするための制度です。その拒絶理由に対する反論は、新規性や進歩性がないことだけに限るものではなく、あらゆる拒絶理由に対して意見書において反論したりして説明をすることができます。余談ですが、意見書に似て非なるものに、上申書があります。両者の違いに御注意ください。また、意見書を特許庁審査官に対する単なる抗議文と勘違いされている人がたまにいらっしゃるようですので、御注意ください。反論と単なる抗議は全くちがいます。
選択肢イは正しいです。特許出願人は、拒絶理由の通知(特許法第48条の7の通知を含む)がされなければ、意見書を提出することができません。前述の上申書との大きな違いの一つです。いわゆる一種の時期的制限ですね。
選択肢ウは正しいです。特許出願人は、手続補正書と意見書を同時に提出することができます。
選択肢エは正しいです。特許出願人が意見書を提出したことにより、通知した拒絶理由が解消したと審査官が判断した場合であっても、審査官が再度別の拒絶理由を通知する場合があります。元の拒絶理由が解消しても、新たな拒絶理由が見つかった場合は、それを「最初の拒絶理由として通知」します。
よって正解はアです。


問24は、著作権等についてです。
選択肢アは正しいです。著作権の保護期間は、著作物創作完成の時から、著作者の死後死んだ年の翌年から数えて50年間までというのが原則ですが、映画の著作物の場合とか、職務著作の場合とか、この原則の例外の規定が著作権法にはあります。また、著作者死亡でかつ相続人(承継人)がいない場合についても規定されています。「著作者の死亡後」で「相続人が存在しない」場合は、まだ保護期間中で存在期間満了前であってもその著作権は「消滅」します(※以前に「その著作物は国庫に帰属する」と書きましたが、これは間違いです。著作権法第62条を御参照ください。)。つまりパブリックドメインになるわけです。
なお、著作者人格権は、著作者が死亡すればその時消滅します。ただし、死亡著作者の親族は、もし著作者が生きていたら人格権を行使するであろう、死亡著作者の人格権の侵害に対して、死亡著作者の代わりに人格権を行使することが認められています。もちろん親族がいれば、の話です。
選択肢イは間違いです。映画の著作物を複製する場合、映画の著作権者の許諾を当然得なければなりません。ですが、当該映画に出演する実演家から当該映画における実演の複製に関する許諾を得る必要はありません。映画の場合、映画に利用された段階で、実演家の権利はなくなっています。いわゆる「ワンチャンス主義」です。
選択肢ウは正しいです。貸与権は、領布権のある映画の著作物を除く著作物の複製物について認められる権利です。
選択肢エは正しいです。書の著作物の原作品を公衆に展示することは、展示権の対象となります。
よって正解はイです。