知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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自分学習用解説 第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題 その8

第19回知的財産管理技能検定2級学科試験問題、自分学習用解説、今回はその8、15問目と16問目です。


問15は、契約についてです。
選択肢アは正しいです。契約内容に含まれない内容であっても、相手方の行為によって損害を受けた場合には、不法行為に基づいて賠償請求できる場合があります。ちなみに、民法不法行為規定は強行規定だとされています。だから、当事者間の合意で成立する契約によってこの条項を排除することはできません。
選択肢イは間違いです。瑕疵担保責任は、民法上定められた権利で、これは任意規定ですから、当事者の契約によって排除することができます。
選択肢ウは正しいです。相手方の債務不履行によって譲渡契約を解除した場合には、契約は過去にさかのぼって効力を失います。
選択肢エは正しいです。譲渡契約のような双務契約において、相手方が契約に定める債務を履行しない場合は、同時履行の抗弁権により、自己の債務の履行を拒絶することができます。具体例をあげますと、売買契約の場合、売主の買主に対する商品を譲渡する債務と、買主の売主に対する代金を支払う債務は、原則同時に履行されなければなりません。つまり、原則、売主が買主に商品を譲渡しない限り、買主は売主に代金を支払わなくていい、ということです。
よって正解はイです。


問16は、特許出願の明細書等の記載要件についてです。
選択肢アは正しいです。明細書や図面には、特許請求の範囲に記載されていない発明を記載してもよいです。別な言い方をすれば、特許請求の範囲には、特許をとりたい発明だけを記載しなければなりません。なお、これは他の選択肢においても前提となる考えです。
選択肢イは間違いです。明細書には、「『当業者』がその発明を実施できる程度」に、発明を明確かつ十分に記載することが必要です。つまり「何人もその発明を実施できるように」の部分が間違いです。ちなみに、この場合の「当業者」は、その発明の技術分野に属する全部門の当業者を意味します。
選択肢ウは正しいです。明細書及び特許請求の範囲だけで発明を技術的に理解できる場合は、必ずしも図面を願書に添付する必要はありません。
選択肢エは正しいです。特許請求の範囲だけで発明を技術的に理解できる場合であっても、その発明を明細書に記載しなければなりません。明細書は、出願発明についての技術文献の役割を果たすと共に特許請求の範囲の解説欄的役割も果たします。
よって正解はイです。