知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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書籍紹介その14 小中学生のための初めて学ぶ著作権、著作権の考え方

今回は、まとめて二冊紹介します。以前紹介した書籍「著作権、それホント?」の著者、岡本薫さんの書籍二冊です。

小中学生のための初めて学ぶ著作権 (あさがく選書)

小中学生のための初めて学ぶ著作権 (あさがく選書)


著作権の考え方 (岩波新書)

著作権の考え方 (岩波新書)


前者は、「小中学生のための」と書いてありますが、本当に小中学生が理解できるかどうか疑問です。
これは、「文章の内容やその表現が難しく書かれている」ということではなく、そもそものテーマである「著作権」自体が、小中学生が理解できるしろものではないので、どんなに内容をかみくだいて理解しやすい文章表現で表したとしても、小中学生には無理ではないか、と思えるからです。
小中学生はともかく、著作権なんて一度も考えたこともないし何も知らないよ、という大人の方には、うってつけの書籍だと思います。
また、著作権の勉強中の方で、でも法制度が複雑でわかりにくい、という方にもオススメです。この書籍で基本的なことを理解した上で、他の書籍等を読んだりすると、きっと「なるほど」とお思いになるはずです。


そして後者。この書籍も、前者の書籍も、また以前紹介した著作権、それホント?」でもそうなのですが、著者の岡本薫さんの主張は一貫してぶれていません。
岡本さんの主張はいろいろあり、どれも大事なのですが、やはり契約に関するところが一番重要ではないか、と個人的には思います。
岡本さんがお書きになられているように、日本の著作権法制度はレベルが高いと私も考えます(特にアメリカと比較したら、日本の方がはるかに高いと思います。)。しかし、その点をアメリカでは、「契約」によってカバーしていて、その「契約」については、アメリカは日本をはるかにしのぎ凌駕していると思います。これは、著作権に限った話ではなく、どんな「契約」についても言えることです。
この書籍で言えば、第6章ですね。この書籍では、著作権について書かれてはいますが、本質的には著作権のみならず他の領域においても「契約はどうあるべきか」なのだと思います。だから、著作権のみならず、契約の本質を理解できる書籍だと思います。そして、日本においては、契約概念が特にアメリカと比べて非常に低いことがわかると思います。裏返せば、それだけ法がしっかりしている、ということかもしれません。

私個人としては、確かに日本の法はアメリカの法と比べれたらしっかりしている側面はあるとは思いますが、だからといって全てにおいてそうではないですし、又完璧ではなく、だから日本でももっとしっかりとした契約をすべき、と考えています。