知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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「原案」について

土屋アンナ氏と甲斐智陽氏との争い、まだ続いているようですね。和解が成立せず、12月には公開で和解の話をするらしいです。私は、結局和解不成立、再び裁判で争うことになるような気がしてなりません。

甲斐智陽氏側の弁護士よると、このような裁判はだいたい2年以上かかるものらしいです。
でも、なんでこんなに時間がかかるのでしょう。もっと効率的にすればチャッチャッと終わりそうな裁判だと思います。

まず、著作権部分。書籍と、公演するはずだった演劇の脚本とを比較すれば、演劇(の脚本)が原案に基づくオリジナル著作物であり書籍の著作権を侵害しないか、あるいは書籍が実質的に演劇(の脚本)の原作でありよって演劇(の脚本)が書籍の著作権を侵害するか、がはっきりしそうなものだと思います。。これは簡単に明らかになるのではないでしょうか。書籍と、公演するはずだった演劇の脚本とを比較するだけの話ですから、そんなに時間がかかるとは思えません。

そして、これを明らかにすれば、これを前提として、後は芋ズル式に契約等についてもはっきりさせることができるのではないか、よってもう少し早く裁判の決着がつくのではないか、と個人的に思います。

そうでなければ、もはやこれは裁判所の怠慢、ではないでしょうか。



おっとっと、裁判の話がメインではありません。今回は、「原案」について書きたかったのです。

著作権法は、著作物の保護というより、より正確にいうならば、著作物の著作者(原作者)及び著作(財産)権者(これに、著作隣接権や出版権等の権利者も含める)の権利の保護が、著作権法の目的と言えるのではないでしょうか。
ですので、「原作」と言えるか、それとも「原案」にすぎないか、と考えることについて、ちょっと疑問があります。
ある作品Aがあり、単にそれから刺激を受けインスパイアされて、誰からみてもオリジナルといっていい作品Bを作り、その作品Bのタイトルも作品Aのタイトルとはまったく違うものであるなら、作品Bは一次著作物であり、作品Aは原案と言い切ってよい、と私は思います。
しかし、作品Bが作品Aと似かよっていて、誰からも作品Bは作品Aの二次著作物と見られてしまうものならば、似ている部分が、例えば1割程度だとしても、作品Bは作品Aを原作とする二次著作物であると言い切ってよいのではないか、と私は思います。
ポイントは、「世間一般的にどう見るか」です。作品Bが作品Aと大部分が似かよっているとしても、誰からも作品Bは作品Aを「原案」とする作品であり、作品Aを「原作」とする作品ではない、と判断されるのなら、やはり作品Bは作品Aを「原案」とする一次著作物だと思います。
ですから、作品Bの著作者が作品Aをいくら「原案」であると言っても、作品Aは作品Bの「原作」品であると判断できるのであるなら、それは「原作」となるわけです。

ですから、裁判の場において、契約やその他のことについても、そのことを前提として判断されることとなる、と私は考えるわけです。



と、最後に裁判の話に戻ってしまいました(笑)。




ちなみに。
さらに付け加えますと、「翻」案は行為です。だから、「原」案とは意味が全く異なります。たまに混同する人がいますが、全く別です。
また、許諾なき翻案は、著作権を侵害する行為です。
御注意ください。