知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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今回のFC2違法UL取り締まりで思ったこと

FC2著作権法違反投稿者十数名が一斉摘発されましたね。これについて思ったことを少し書いてみようかな、と思います。


違法アップロードの取り締まりは、対処療法的で根本的解決にはならない、と私は思います。最終的にはサイトそのものをなんとかするしかないでしょう。
しかし、FC2自体を取り締まることはできません。何故なら、FC2自体は、何も違法行為はしていないからです(他にも理由がありますが、それは後述します)。

FC2の規約では、著作権侵害となるアップロードは禁止事項として書かれてはいます。でもこの規約を見て「禁止されているからやめよう」と思う人がどれだけいるでしょうか。
そして、FC2のシステム構造は、ただ著作権侵害行為に利用できるだけでなく、一旦その行為が行われたらその被害は大きい、潜在的にその非常に大きな危険性があるわけです。
それにもかかわらず、FC2自体は、規約で禁止している以外は、積極的に侵害行為のコンテンツを削除する等なんらかの対応をしているわけではありません。もし、しているなら、今回のようなことにはならないでしょう。
また、あるコンテンツがきっかけであらたに入会者があった場合、そのコンテンツをアップした人には、その入会者からの入会金のうち最大半額が与えてられます。つまりこれは「違法行為をすれば収入が得られる」と、むしろ違法行為をあおってさえいるのではないでしょうか。

そうなると、新たな法改正がいずれおこるような気がしてなりません。ただ規約に禁止を書くだけでなく、実際に、違法コンテンツ削除をしていなかったり、違法行為をあおっていると判断できる場合等は、著作権侵害行為とみなす、という法改正がおこるような気がしてなりません。ちょっと妄想入ってますけど(笑)。

ですが、FC2については、そう簡単にことが運ばない事情があります。
FC2の本社はラスベガスにあります。これがやっかいです。つまり、準拠法と裁判管轄は、基本アメリカということになります。規約を見るとそれを前提として書かれています。これは民事の場合です。そして刑事についても、アメリカの管轄、アメリカの法に従うことになるでしょう。だから、日本からなかなかFC2に対して有効な対応をとることはできません。ニュースのとおり、被侵害側の日本の放送局は、FC2にお願いをすることぐらいしかできません。

なんといいますか、歯がゆいですね。



話が変わります。
放送局が「無料」のオンデマンドサービスをすればいいのでは、という意見があります。
私もこの意見には、賛成です。 
しかし、無料化するためには、放送と通信との法律的問題や、それにおける放送局と出演者等の契約の問題、その他考えなければいけない問題があります。
実際NHKオンデマンドサービスは有料です(一部無料視聴ができるものもあります)。
これらのことを考えれば、「無料」は難しい、というかできないでしょう。


画期的な解決方法ができない限り、違法行為と取り締まりのイタチごっこは延々と続くことでしょう、きっと。