知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

ブランド戦略とブランドのローカライズ その1

どのようなブランドであれ、最初は、一つの国、いやもしかしたら国の中のさらに限定された地域だけで始まった、のかもしれません。
そのうち、企業(ブランドを売る側)は、マーケットを広げようと考えはじめると思います。
また、マーケット外に住んでいる顧客(ブランドを買う側)は、自分が住んでいる地域や国でも販売してくれないかな、と考えるかもしれません。
両者の思惑があいまって、マーケットがだんだん広がっていきます。地域、国をこえ、外国に、ワールドワイドに販売展開いくことになります。


なぜ突然こんなことを書いたかというと、イギリスのバーバリー社と日本の三陽商会とのライセンス契約がもうすぐ終了、契約の更新をせず、今後日本ではバーバリー社の直営店が直接バーバリーブランド商品を販売していく、ことを知ったからで、このことについて考えてみたからです。

バーバリー三陽商会を知らない人のために書きますと、バーバリーはイギリスのコートやその他の服飾関係、タオル等の製造、販売をするファッション企業であり、三陽商会は日本の大手アパレル企業で、バーバリーからライセンスを受けて、バーバリーのブランド名を冠したコート等を製造、販売しています。三陽商会以外にも、バーバリーからライセンスを受けて、バーバリーの名を冠した商品を製造、販売していた企業はあったらしいですが、数年前からバーバリーはそれらの企業とのライセンス契約を打ち切ってきまして、いよいよ最後に三陽商会とのライセンス契約を打ち切ることを決定した、というわけなのです。


ライセンス契約の要点は、ブランド名を冠した商品(製品)を、ブランド元の企業とは別に、ライセンスを受けた企業がライセンス生産し、それを販売していく、ことにあります。

単にブランド商品を販売するだけなら、ライセンス契約をする必要はありません。販売契約を結び、商品をブランド元から仕入れて販売すればいいのです。だから、AUソフトバンクAppleと販売契約をしていても、ライセンス契約はしていないはずです。Appleスマホは、Appleが製造している(実際には、台湾などのメーカーに下請けで、日本を含むアジアマーケット向けに作らせているのでしょう)のであり、AUソフトバンクは製造している(あるいは、AUソフトバンクがどこかに下請けで作らせている)わけではなく、仕入れて販売しているにすぎません。その証拠に、今回iPhone5のバッテリー不良の対応をしたのは、Apple自身であり、AUソフトバンクではなかったはずです。


で、別にこのライセンス契約について、どうのこうの書くつもりはありません。契約は当事者の合意の問題ですから、契約を結ぶのも打ち切るのも、それは当事者次第であります。


ただ、契約が満期を向かえるからとはいえ、今更になって、今回バーバリー社が三陽商会とライセンス契約を更新せずに、日本に直営店を設けて直接日本に販売展開することにした、この決断はいささかリスクがあるように思えてならないのです。
これは、「ブランド戦略とブランドのローカライズの問題」だと、私は考えました。


(その2に続きます)