IPBA「経営基礎」第三回目
今回は、これまでのセミナーの中で一番わかりやすかったです。なんか一番上手な講師の先生だったような気がします。もちろんこれまでの先生もうまかったのですが、今回の先生は輪をかけてうまかった、ということです。身近な例え話を用いて、本当にわかりやすい説明でした。このわかりやすさは私も見習いたいものです。
でセミナーの内容はと言いますと、「経営戦略」、というよりは、その「戦略をたてるためにする分析をいかにすべきか」という内容でした。キーワードとして、聞いたことがある言葉や人物名がでてきましたが、その内容を今回はじめてちゃんと理解できた気がします。
で、この分析ができるようになるとどうなのかと言いますと、弁理士について言うならば、クライアントが本当に必要な知財戦略をたてることができ、それをクライアントに提案できる弁理士になれます、ということだと思いました。
このためには、最終的にはクライアントの協力が必要なのは言うまでもありません。ですが、こういう提案ができれば、その弁理士にはクライアントからの信頼が増し、さらにより協力も得られやすくなるといえると思います。クライアントの立場の私が言うのですから間違いありません(笑)。
もちろん、従来と変わらぬ権利化の能力があって、の話なのは言うまでもありません。
従来は権利化及び権利化後の権利維持段階の手続き「だけ」しっかりやっていればよかった(権利化前段階はクライアントが考える領域だった)のが、現在は権利化の前段階から、権利化、権利化後までを、トータルで戦略的に考えてクライアントに提案できる様でないとダメ、ということだと私は考えます。
今回で、この「経営基礎」セミナーの真の狙いがわかった気がします。別に「弁理士に経営者になれ」と言っているのではなく(笑)、経営に役立つ知財戦略の提案からはじまり、そしてその権利化、及び権利化後の保持、活用まで、トータルでクライアントに役に立つことができる弁理士になりましょう、ということではないでしょうか?
ですから、経営の基本的知識は当然知っていなければならないでしょう。また、いかに経営に役立つ知財の権利化をするか、今回のセミナーの内容に照らし合わせて言えば、いかに戦略を立てて知財の権利化をはからなければならないか、これを考えられるようになれ、ということだと思います。
そのためには、クライアント企業が何を考え何をやりたがっているか、どういう特色、強み、弱みを持っていているか、クライアント企業のその業界でのポジションはどこか、などを把握し理解した上で、「こういう知財戦略を持って権利化をはかりましょう」と提案できなければダメ、ということではないでしょうか?
あるいは、何かしらの特色(いざという時の訴訟に強いとか、米国、中国の特許に強いなど、地域、分野での強さを持っているとか、人脈、情報が非常にたくさんあるとか、他よりも圧倒的に強い売りとなる何かを持っている)がある弁理士でないとこれからは生き残れない、ということではないでしょうか?
なんてことを考えてしまいました。