知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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CTMの説明 第五回 異議申立と意見書制度

突然ですが、CTMの説明のつけたしとして、今回もう一回分書きます。

今回は、第五回目、CTMの異議申立についての追加説明とそれにプラス意見書について、書こうと思います。あっ、この意見書、日本における拒絶通知を受けた際にその対応でだす意見書とは異なりますので、御注意ください。


で、まず、日本の商標法制度について、少し説明します。なぜかといいますと、日本と対比させたらわかりやすいかなと考えたからです。別にCTMだけではなく、アメリカでも中国でも他の国の商標法制度を覚える際、日本と比較するとわりと覚えやすいかもしれません。


日本では、審査段階では、絶対的拒絶理由と相対的拒絶理由の両方について審査します。そして、最終的に査定をしますが、拒絶査定をだしたとします。それに不服の場合、不服審判を特許庁に請求します。
(あいだの説明をはしょります。)
登録になりました。この登録に異議があれば、異議の申し立てをします、日本では。そう、日本にも異議申立の制度はありますが、これは商標が登録された「後」です。日本は、「権利付与後」の異議申立制度なのです。


次にCTMです。

前にも書いたとおり、CTMでは審査段階では、絶対的拒絶理由しか審査しません。日本とは異なります。この審査結果に不服の場合、不服審判を請求できるのは日本と同じです。
では、相対的拒絶理由についてはどうかというと、異議申立で争うわけです。

その異議申立の前に、「調査レポート」について書きます。
絶対的拒絶理由しか審査しないことは書きましたが、そのかわり相対的拒絶理由については、自動的に、調査をしてくれて、そのレポートを出願者にだします。それが「調査レポート」です。

「調査レポート」でとりあげられた先願の登録商標の、その権利者にも、その旨の連絡がいきます。その連絡によって、先願権利者は、後願の登録申請商標と自分の商標がぶつかっていることを知ります。そして公告がされたら、異議申立をして争うわけです。

あらためて書きます。CTMの異議申立は、日本の異議申立とは、だいぶ異なります。
まず、日本では異議申立は「誰でも」できますが、CTMでは先願商標権者、そのライセンシー等、「関係当事者」に限られます。
また、前に書いたとおり、CTMでは相対的拒絶理由については審査をしないので、この異議申立で、それを主張するわけです。日本では、絶対的拒絶理由とともに相対的拒絶理由も審査します(もちろんこれらについて異議申立で主張できます)。
また、前に書いたとおり日本は権利付与「後」の異議申立であるのに対して、CTMは権利付与「前」の異議申立です。
ですから、CTMにおいては、異議申立は非常に重要です。


さて、CTMでは、絶対的拒絶理由について審査されますが、当事者ではない人が公告された登録申請商標を見て「あれ、この公告された商標、絶対的拒絶理由に該当するんじゃないの?」と考えた場合、どうすればいいのでしょうか。日本だったら異議申立でしょうが、CTMでは異議申立ができるのは当事者に限られます。
この時に使うのが、「意見書」です。意見書は、絶対的拒絶理由に意見がある場合等において、「誰でも」提出することができます。
なお、「当事者」は当然、絶対的拒絶理由について、異議申立ができますし、意見書も提出できます。



まとめると、
当事者→絶対的拒絶理由、相対的拒絶理由→異議申立、当事者以外→絶対的拒絶理由→意見書提出、というわけです。この「意見書」は、日本にはない制度ですね。


ちょっとわかりにくいですか?私も実は今一つわかってないような気がします(笑)。ですので、ちょっとCTMについては、勉強し直そうと思います。ということで、ここらへんでCTMについては本当にしばらくSTOPします。