知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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商標「倍返し」と「じぇじぇじぇ」

仕事でネット検索で調べものをしていたら、たまたま知ったのですが、「倍返し」も「じぇじぇじぇ」も、関係ない第三者によって商標登録されていたのですね。さもありなん、です。しかし、今更知ってもたいしたトリビアにもなりません(笑)。
なんていうか、これも一種の商標の「抜けがけ商標登録」なのでしょうか(笑)?登録日等、諸々のことを考慮すると、私は、やっぱり「悪意」でこの登録申請をしたのかな、と思いました。
商標法上「悪意」は拒絶の理由ではありません(これについては、商標法第4条1項7号とからめて、別途あらためて書くつもりです)。よって他に拒絶の理由がなければ、登録されるのは当然、とは思います。そして、先願主義の日本では「商標は早く登録したもの勝ち」ですから、これは仕方がないこと、とも思います。


合法ではあります。でも、自分がドラマ制作関係者なら「なんかやだな」「うざい(笑)」と思います。

これを商標法第29条で使用させないことはできますでしょうか。
「倍返し」と「じぇじぇじぇ」、これらはどちらも人気テレビドラマのセリフの有名な部分です。
ドラマの脚本はそれ自体単独で著作物で著作権があります。ドラマも著作物で著作権があり、そのドラマに付随して、ドラマのタイトルやそのセリフにも著作権が認められると言えます(タイトルの場合、それ自体単独では著作権性はないと考えられています。あくまで付随していることが重要です。)。
ですが、「倍返し」も「じぇじぇじぇ」も、いかんせん短すぎです。例え有名なセリフでも、これだけ短いと著作権は認められないと私は思います。そして、「倍返し」自体は単なる普通の言葉です。「じぇじぇじぇ」自体は一地方の方言にすぎません。よって著作権は認められることはまずないでしょう。
ですから、残念ながら、登録された「倍返し」と「じぇじぇじぇ」は、第29条にはひっかからずにその使用ができるとは思います。

現実には、商標権者が「悪意」で登録したとするならば、商標はまず使用されることはないとは思います(実際に使用されてはいないようです)。おそらく商標を高く買ってもらおうと考えていたと思います。
そして、この目論見はうまくいかなかったと思います。
権利の名義人が変わっていないところから考えると、TBSやNHKは、別に影響なしと判断して、無視して何もしていないと思います。
だから商標権者はあてがはずれ、登録しただけ、時間と金と労力のムダだったのではないでしょうか(笑)。


まとめます。ドラマの有名なセリフの一部は、使用できるできない、使用するしない、これらは別としても、少なくとも商標の登録自体はできる可能性はかなりあると思います。しかし、登録できたとしても、その商標の使用が必ずしもできるわけではない、とは思います。



なお、ついでに、実際の著作物であるドラマ、そのタイトルが商標登録されていないか調べてみました。「半澤直樹」は商標登録されていませんが、「あまちゃん」は、NHKのグループ企業が商標登録しています。
あまちゃん」については、NHKとは関係ないところが一つ登録していますが、こちらは登録になったのは平成8年、「悪意」がないのはあきらかですね。
まあ、どうでもいいですね(笑)。