知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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試験問題「俺流解説」 39問目の訂正説明

誠にすみません。39問目の説明に、とんでもないことを書いてしまいました。
39問目について先に書いたものはすでに修正してありますが、この問題をここであらためて説明申しあげます。


39問目は、欧州共同体商標制度での「色彩のみの商標」に関する説明で、不適切なものはどれか、という問題です。
選択肢アとイは正しく、ウは間違っているので、ウが正解です。

アとイは文章のとおりなので、選択肢の文章内容をその通り覚えてもらうしかありません。
で、問題のウです。私、ここの説明で、「OHIMと欧州連合司法裁判所は全く関係がない」などと書いてしまいましたが、そんなことは決してありません。
手続きの流れとして、まず不服がある場合は、OHIMに対して不服審判を申し立てます。そこでの審決でさらに不服がある場合に、欧州連合司法裁判所に訴えることになります。
ですから選択肢ウの最後の部分、「欧州連合司法裁判所へ審判を請求することができる」が間違いで、「OHIMへ審判を請求することができる」が正しいです。

このあたりは、日本の制度と似てますね。


ちなみに、商標権の侵害があった場合は、EU構成国それぞれに「共同体商標裁判所」が指定されて存在し、そこが第一審、第二審の裁判所となります。
そこからさらに欧州連合司法裁判所に提訴できます。
また、構成国各国の裁判所において、裁判の当事者は、欧州連合司法裁判所に対し、レギュレーションの解釈や有効性の照会・請求ができます。ここで欧州連合司法裁判所が示した内容を「欧州連合司法裁判所の予備判決」というようです。


39問目とは関係なく、CTMにおける、異議申し立てや不服申し立ての他、取消や無効の請求については重要なので、これらについてはまたあらためて書きたいと思います。