知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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試験問題「俺流解説」 37問目の補足

37問目について、少し補足を書きたしておきます。


以前に書いたとおり、37問目は、38問目、39問目と合わせて、CTMの問題です。
出題文構造が、まず、37問目から39問目までに共通する、全体出題説明文とCTMに関する長文があり、それに絡めて37問目から39問目までそれぞれの問題説明とそれぞれの選択肢があって出題、という形になっています。


で、特許協力条約(PCT)やマドプロ(マドリッドプロトコル)というキーワードがでてきます。
マドプロは全体出題説明文にもCTMに関する長文にも選択肢にもでてきますが、PCTは選択肢にはでてきません。説明文と長文にでてくるだけです。その変わりに、欧州特許条約(EPC)という(私にはその時見知らぬ)キーワードが、37問目の選択肢の中に突然でてきます。

EPCはパリ条約での特別な取極であり、またその管轄組織であるEPO(欧州特許庁)はPCTの指定国選択の対象でもあり、関係はそれなりにあります。ですが、なんかEPC、EPOの出し方が唐突な気がします(笑)。これ、問題を間違えさせるためにわざとPCTとEPCで、CTMとからめて勘違いを起こさせよう、という魂胆だったのかなと勘ぐったりしています(笑)。

「マドプロでは、CTM(つまりCTM加盟国全体)を指定することが、又はCTM加盟国各国を別々に一つ一つ指定することが、できる」、このことを知っていれば、他の選択肢に惑わされずに、選択肢ウが正しいとわかり、正解のウを導けるわけです。選択肢アは同じ指定国なので、そこでも勘違いをおこさせるつもりだったのかもしれません。知らなければ、このトラップは結構効果があるようにも思えますが、知っていればなんのことはないような気がします(笑)。



ここで、欧州特許条約(EPC)及びその欧州特許庁EPO)について簡単に説明します。
CTMの官庁組織であるOHIMがEUの下部組織であるのに対し、EPOはEPCに基づく独自組織で、EUとは全く別の独立した組織です(ただ強い関係はあります。)。
また、CTMがEU全体で同一に権利が保護されるのに対し、EPCは単に特許出願の手続き、審査が加盟国で単一化され複数の国で特許がとれるものの、その権利の保護、有効性の程度は条約加盟国それぞれの制度次第であり、国によって異なります。ですので、EPOが付与する特許は「国内特許の束である」と言われています。

このことから考えれば、選択肢アの「欧州特許条約とCTMの加盟国は全て同一」というのは間違いだとわかります。そもそも別組織なのですから。
また、選択肢イについても、別組織である以上、「欧州特許弁理士が自動的に欧州商標弁理士の資格を得られる」ことも間違いだと考えることはできるのではないでしょうか。



まあ、欧州の問題とはいえ、なんか変で、無理矢理つくった感がします(笑)。37問目はスマートな問題ではない気がします。

以上、37問目の補足でした。