くまモンに思うこと その1
現在においては、著作物性が認められる範囲は、かつてと比べかなり広がってはいると、私は思います。
また、だからといってそれに即著作権性を認めていいものか、とも考えています。
著作物性と著作権性は別ものではないでしょうか。現在において、著作物性と著作権性は法上で明確に区別し、著作物性があっても、著作権性が認められない限りは、著作権法は適用されないようにすべき、と私は考えています。
つまり、「著作権性」は、「著作物性」に「現実の著作物の存在のしかた」を考慮して総合的に判断して認められるものではないか、と言いたいのです。
また、著作権を持っていると主張するためには、それなりの著作権に対する理解と主張のための準備と正しい権利行使が必要だと思います。その点で「くまモン」については個人的に注目しています。「くまモン」は勉強になります。
ただ、このマンガは別にくまモンを主人公にしたマンガをかいたわけでないようです。独自のゆるキャラをテーマにしたマンガに、一ヶ所、おそらくラクガキ的についかいてしまったのではないでしょうか。これ、昔の映画とかドラマとかアニメとかマンガとかであった、一種の制作側の「お遊び」ですよね。
侵害の意図とか悪気はなかったとは思いますが、著作権侵害だとは思います。許されるものではありません。だから熊本県庁側の主張は理解できます。ですが、マンガ家や集英社はこれで不当に利益を得たわけではなく、くまモンの人気にあやかって便乗しようとしたわけではなく、単なる遊びのノリだったとは思います。ならば、熊本県庁は寛大に対処すべきではないのかな?と個人的には思いました。
今後ひどい権利侵害をされた時、権利行使として抗議をする際に「なんで俺にだけ抗議をするんだ?」と逆に文句を言われないため、マンガ家や集英社に対しても平等に抗議をした、のではないでしょうか。
(続きます)