知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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中国シカゴブルズ事件に見る商標権と著作権

書籍紹介のあいま、ちょっとコラム的に(笑)。

中国のとあるレストランにより、米国バスケットボールチームのシカゴブルズのロゴの牛の絵と似た絵を商標登録されたために、シカゴブルズは自分達の牛のロゴマークが類似のために中国で商標登録できず、そのため2012年に中国商標評審委員会を相手に裁判をおこしたこの事件ですが、最近2審の高等人民法院にて、著作権による先行権利が認められ、シカゴブルズ側が勝訴したそうです。中国は2審制ですから、これで確定ですね。

この裁判で一番注目すべきポイントは、企業ロゴマークが、中国においては裁判にて著作物であるとはっきり認められたことです。
シカゴブルズは、昔にこのロゴマークが掲載された米国でのNBAパンフレットを証拠として提出し、それが先行する著作権として認められたらしいです。以前書いたクレヨンしんちゃん事件と異なるのは、クレヨンしんちゃんはもともと間違いなく著作物で、それが認められたわけですが、今回のシカゴブルズ事件では、ロゴマークが著作物であるかどうかが争われ、それが裁判で認められたわけです。
以前に中国の著作権登録制度についてちらっと書きましたが、企業ロゴマークも著作物としての先行権利の認められれば、登録商標に対し有効な対抗手段となりえる、そういう裁判例です。

日本でも、いつかこれに似た裁判が行われることはあるのでしょうか?そうなったら、完全に著作物概念が変わるといえますね。
美術の著作物の概念は完全に変わるでしょう。かつて博多人形のような美術工芸品は著作物でないとされ、著作権が認められませんでしたが、現在においては著作物とされる可能性はあるわけですよね。著作権登録をすれば、可能性は高くなるわけです。あくまで可能性ですが。

少なくとも、中国においては企業ロゴマークは著作物という裁判事例がでたわけで、中国ではロゴマークは商標権とあわせて著作権の活用が間違いなくできるわけです。

来年の知的財産管理技能検定1級ブランド分野学科試験で出題されたら面白いですね。面白くないか(笑)。