知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験に向けて諸々のこと、その他書籍やニュースなどの知財、その他の法律等に関して、思いついたら書きます

【緊急】 しっかり権利は守らないと 〜 イチゴの話 その1

つい最近、朝のニュースを見ていましたら、興味深いニュースがありました。

ニュースによると、日本でのイチゴの新品種が、韓国ででまわってしまい生産されていて、現在その韓国産イチゴがアジア各国で売れまくっているそうです。つまり、日本の新品種イチゴのアジアでの販売機会が、新品種の韓国産イチゴにとられている、ということだそうです。

 

直感で、種苗法の話だな、と私は思いました。ですが、種苗法なんて、数年前の知的財産管理技能検定試験2級以来、とんと御無沙汰です。もっとも、当時も基本の基本しか勉強していませんでしたけど(そういえば試験で出題された記憶もないです…。)。

 

ですので、自分になりに調べまして、書いてみました。間違っている点がありましたら、御指摘ください。今回はその1です。

 

種苗については、UPOV(「ユポフ」と発音するそうです)条約というものがあり、国際的に(加盟国間だけですが)保護されます日本も韓国もその加盟国です

「ならばこの条約で保護されるよね。よかった。」と思ったら、なんと、国によって保護対象品目が異なるらしく、韓国ではイチゴは保護対象品目ではないそうです。あらら。

 

しかし、そのことは日本側もわかっていたかもしれないようです。だからでしょうか、日本の育成権者側は、韓国の研究生産者にイチゴの新品種を渡す際に、その方との間で、契約を交わしたそうです。「5年間、研究目的のみで、有償で生産する」ことを条件として

 

ですがその後、その韓国の方は契約を守らず、その結果、韓国国内でイチゴの新品種が広まって作られるようになりました。それがアジア各国に輸出され人気がでて高く稼げるほどになり、日本のイチゴの新品種のアジア各国での販売機会を奪っている、というのが今回のコトの顛末のようです。

 

 

ここで、私が疑問に思ったのは、

①契約したのならば、契約違反で韓国の人を訴えればいいのになぜしないのか?

そもそも、この契約、不備はないのか?

ということです。

 

 

(その2に続きます。)

日本でも、著作権料は不用で、無許諾で使用できます

ドイツの学校(日本の「著作権法」や「学校教育法」のようなものでいうところの法で規定されている「学校」なのか?今世間を賑わせている「音楽教室」のような法的には「学校」ではないものなのか?これがどちらかはわかりません。おそらく私は前者だと思います。)は、心臓マッサージの「教育実習」(これは、「教育実習」である以上、「学校」での授業の一環だと私は考えます。)にてある曲を「無料で」使用できるかどうか、懸念していました。

それはビージーズの曲「ステインアライブ」で、心臓マッサージにちょうどいいリズムの曲なんだそうです。

そして、GEMA(ドイツの音楽著作権管理団体、ドイツにおける日本のJASRACのような組織)は、地元選出議員を通して、この学校に対し「無料で使用可能」と伝えそうです。他の学校で同様に使用しても無料になるそうです。また、あくまで「学校内の建物内で、授業での使用のみ」に限るそうです。

 

 

この記事を見た人は、「さすがドイツ、日本とは違うよな。日本じゃカスラックが金をふんだくりにくるからな。」と思うかもしれません。

また、この記事を書いた人も、おそらくそういうように考えて書いたのではないか、と私は思います。それは、このような「日本では当たり前なこと」をわざわざ記事に書いているからです。私は、記事を書いた人、その記事をのせた新聞社(のオンライン)は、日本の著作権法制度については全くの無知無理解だ、と考えました。そして、そうであるのに関わらず説明不足のまま記事を書きオンラインにのせた、とも考えました。もし、日本の著作権法制度をわかっているならば、日本でも大丈夫な旨を記事に明記するべきです。日本でも、著作権法制度上、こういう場合は当然に、著作権料は不用となり、無許諾で曲を使用できます。

「学校」でその「教育実習」として音楽を用いる行為が営利、無料、無報酬」であるならば、著作権料は発生しません。「学校教育法」における「学校」ですから「非営利(つまり、『教育』目的であるので、『営利』目的ではないと看做せるということです。確かに学校は生徒から学費を支払われてはいますが、これを『営利』目的とはいわないでしょう。『学校』は『営利』目的、『金儲け』目的に存在するのではありません。これを『営利』とするならば、法が意図することにあわなくなると考えます。)であり、その「授業」ですから「無料(これについても、生徒は学費を払っていますから、厳密には『無料』とはいえないでしょうが、この『教育実習』のためだけに学費を払っているわけではありませんし、第一これを『無料ではない』とすると、世の中の同様の行為は大抵『有料』となり、法が意図することにあわなくなると考えます。)であり、その「教師」は「無報酬(これについても、『教師』は給料をもらっていますから、厳密には『無報酬』とはいえないでしょうが、これを『無報酬ではない』とすると、世の中の大抵の同様の行為は『有報酬』となり、法が意図することにあわなくなると考えます。)ですので、著作権法第38条第1項により、著作権料は発生しません。ちなみに、この「教育実習」に曲を用い曲をかける行為は、著作権の演奏権に抵触する行為となると考えられます。ですが、前述の著作権法第38条第1項により著作権者の許諾なく無償で使用できるのです。

 

 

おそらくドイツでも、似たような法条項が存在し、よって「無料で使用可能」になるのでしょう。GEMAが「あくまで『学校内の建物内で、授業での使用』のみに限る」とクギをさしていることから、なんらかの法条項の存在が考えられます。

 

 

但し、念のため書きます。ドイツではわかりませんが、少なくとも日本では、著作権法制度上、ただ単に「『学校』だから著作権料を全く支払わなくてすむ」ということではけっしてありません。

「学校」で著作権料や使用許諾が不用なのは「複製権」、つまり「必要限度での複製利用」の場合だけです。「演奏権」の場合は、あくまで「『非営利、無料、無報酬』だから」著作権料を支払わなくてすむのです。

そして、「学校」であることは、「非営利」、そして「無料、無報酬」であると、看做せることを意味するだけにすぎません(もちろん、「学校」でも、あるいはたとえ「教育目的」でも、あきらかに「非営利、無料、無報酬」と看做せないならば、当然著作権料が発生し許諾も必要でしょう。)。

今回の話は、今問題になっている音楽教室とは全く違う話です。前述のとおり、「学校」は「非営利」と看做せますが、教育のためだとしても音楽教室」は「営利」です。よって著作権法第38条第1項は適用されません。

 

勘違いなさらないよう、誤解なきようお願いします。

 

 

近々、音楽教室の件についてまた書く予定です。

 

 

 

話は変わりますが、日本でJASRACが非難されているのと似たように、ドイツでもGEMAはいろいろ非難されているようです。詳しくはネットで検索してください。アメリカでも以前問題がおきましたし、他の国はどうなんでしょう?

 

アッコ守護霊本は、パブリシティ権を侵害するか?

今日昼間、TV番組「アッコにおまかせ」を見ていたら、幸福の科学出版が、恒例の大川隆法氏が降霊を行なってその霊にインタビューをする本(恒例の降霊本(笑))の最新刊として、なんと和田アキ子さんの守護霊の本を出版販売した、と言ってました。和田アキ子さんは、出版について全く知らなかったと番組で言ってました。

 

 

さて、これって和田アキ子さんのパブリシティ権の侵害にはならないのでしょうか?私は、裁判に訴えれば、和田アキ子さんの名声を利用していると判断され、パブリシティ権侵害が認められると思うのですが、いかがでしょうか。

本を売るために和田アキ子さんの名前を利用したことが何よりの問題です。

そして存在が定かでない守護霊を降霊したとし、その守護霊に対して質問し、その守護霊に語らせるスタイルであること、また裁判でその守護霊の存在や降霊を証明はできないでしょうことは、裁判で和田アキ子さんのパブリシティ権侵害が認められる助けになるでしょう。

 

 

さらに、問題はパブリシティ権だけにとどまらないと、私は思います。

 

和田アキ子さんの守護霊」とのことですが、その守護霊、態度も言葉使いも悪いように書かれているようです。TVで初めのページが紹介されていまして、いかにも「『和田アキ子さん』の守護霊」という感じで世間が納得しそうな表現でしたが、これって和田アキ子さんに対する名誉毀損罪(侮辱罪?)にはならないのでしょうか?

 

また、インタビュアー(あの「千眼美子(清水富美加)」さんです)が、和田アキ子さんが芸能界で生き残っている理由について守護霊に訪ねたところ、その守護霊は「恫喝」(和田アキ子さんが恫喝しているというニュアンス)と言ったらしく、そのことがこの本に書かれているのですが、これは和田アキ子さんに対する侮辱罪にはならないのでしょうか?

 

 

もしそうならば、

刑事では、警察に親告すれば、警察が動いてくれるかもしれません名誉毀損及び侮辱罪親告罪です)

民事では、裁判をおこし慰謝料を請求すれば、それが認められるかもしれません。そしてもしかしたら出版差止もできるのではないかと。

 

 

ただ、和田アキ子さんご自身の冠番組でこのニュースを取り上げたのですから、もはや和田アキ子さんとしては刑事にしても民事にしてもアクションをおこさないことにしたのもしれませんね。

法に対する私のスタンス

前々回のこのブログで、
「『法を知らなかった。』は言い訳にはなりません。

と書きました。

 

これに付け加えるならば、

「法を知っていようがいまいが、それに関係なく法は適用される。」

ということです。

 

スポーツだって、たとえルールを知らなくても違反をすれば、それに従って罰せられますよね。「ルールを知らなかった」からぺナルティは課せられない、ということにはけっしてなりません。それと同じことです。

 

 

ただ、その法自体が必ずしも絶対的に正しいとは限りません。最初から、正しくない形で法が制定されるかもしれませんし、また、制定当初は正しくても、時がたち社会環境の変化によって、法がもはや時代や社会環境にそぐわないものになってしまうことだってあります。だから、法は改正されるべきものなのです。その法がたとえ憲法だとしても

 

誤解しないでいただきたいのは、正しくない法、正しくなくなった法は守らなくていい、というわけではけっしてありません。なんであれ、私達はを尊重し守らなくてはいけませんそうでなければ、皆が好き勝手な言動をし、社会が混乱してしまうからです。

そして、法が正しくないなら、その法は改正されなければなりません

 

 

法に対する私のスタンスは、「法は尊重され必ず守られなくければならないものである。しかし、法は、絶対的に正しいとは限らないので、改正すべき時には改正すべきである。」です。

 

もちろん、闇雲に改正すればいいわけではありません。改正をしなければならない正当な理由がある上で、どう改正すれば真に正しい法になるのか、これを追求た上で、法改正はなされなければなりません。もちろん、誰もが、納得する形、納得する内容でなければならないのは、書くまでもありません。

「チバニアン」と「商標的使用」

チバニアンという言葉をご存知でしょうか。

 

千葉で約77年前の地層が発見されたのですが、その地層が最後におきた(といっても、77万年前のはるか太古です(笑))地球の地磁気の逆転現象の証拠らしく、その地磁気の逆転現象が起きた時代を表す言葉として、発見した千葉の研究チームが、国際地質科学連合とかいう国際学会に、その時代の命名権を求めその申請をしたそうでして、その名前がチバニアンだそうです。

イタリアにも2ヶ所ほど同様の地層があるそうです。千葉を含めて、この3ヶ所の、どの地に命名権を与えるかについてこれから国際学会で決めていくそうです。決まるのは来年初頭になるらしいです。ぜひチバニアンに決まってほしいものです。

 

 

 

さて、ようやく本題です(笑)。

 

千葉には商魂たくましい人がいるようでして、すでにチバニアンは商標出願されていて、しかも登録までされています

 

研究チームの関係者は、「申請に影響はないが、出版物をだす際などに問題になる可能性がある。」と、懸念を示したそうです。そして、特許庁に対して異議申立てまでしたらしいです。

 

私は、わざわざ異議申立てなどしなくても、出版物において「チバニアン」という言葉を使用しても「問題はない」と考えます。書籍の、本文や、タイトルに使用するのは問題ないと考えます。ましてや学会で使用するのは当然問題ないと考えます。

根拠は「商標法第26条第1項6号」です。これは『商標的使用』にならない」場合の規定です。前述の使用は「いわゆる『商標的使用』にはあたりません」商標法第26条第1項6号により、前述のような使用をしても商標権者の権利侵害にはならない、ということです。

よって、出版も含め学術的にチバニアンを使用する分には、全く問題はない、と私は考えます。

 

ですから、調査チームは、異議申立てをした分、金と時間と労力の無駄だった、ということになります。

まあ、調査チームとして、勝手にチバニアンという言葉を使ってくれるな、という気持ちになるのはわかりますが、商標登録した側や特許庁には法制度的落ち度は全くありませんから、今回の商標登録は仕方がないと考えます。

もしかしたら、調査チームやその関係者は、千葉を盛り上げようと、名産品を作ってそれにチバニアンという言葉を用いよう、と考えているのかもしれませんね(笑)。それでしたら、商品によっては商標権者の商標権を侵害することになるかもしれませんから、異議申立てをするのは理解できます。なんて、冗談です。

 

ちなみに、私は、異議申立ては、却下されるのではないかと思います。

そもそも、この異議申立ては、期間的には大丈夫だったのでしょうか(商標登録の公報掲載の日から2ヶ月の間しか異議申立を受けつけてくれません。)。もしかしたら受けつけすらされなかったかもしれません。

 

 

 

最後に、冗談ついでとして、名産品を考えてみました(笑)。

例えば、チバニアン地層ミルクレープ」というのはいかがでしょうか(笑)。ミルクレープを地層にみたてました(笑)。和風テイストとして薄くのばしたこしあんを用います(笑)。生クリームとこしあんの見事なハーモニーが、はるか太古へとあなたを誘う(笑)。

あと、「突然N極とS極が逆転する方位磁針」とか(笑)。そんなの役に立たないだろ(笑)。名産品になるか(笑)。

著作物の利用の許諾

今更書くのもなんですが、あまりに著作権法制度の基本的なことを理解していないと思える人が多いので。

 

 

現在の著作権法制度においては、「『則として』著作物の利用には権利者(著作者、著作権者)の許諾が必要」です。

ただし、(1)著作権法での例外規定条項内容にあてはまる場合(2)著作者、著作権者が前もって明確に許諾をしている場合(3)著作者、著作権者から「黙示の」許諾が認められていると見做せると考えられる場合、などは許諾は不要です。(3)は、曖昧で、ケースごとに「黙示の」許諾の有無の確認、判断をしなければなりませんから、けっこうわかりにくく大変で厄介です。

 

例として。

(1)のケースとして。例えば、図書館の書籍のとあるページを資料として(あくまで自分で用いるためだけに)自分で持っておきたいので、そのページを権利者の許諾なくコピーしたとします。これは、形式的には「著作権侵害行為」になりますが、著作権法制度上例外として認められている行為」ですので、よって著作権侵害にはなりません(ただし、このコピーについて、例えば会社での会議等のために会議参加人数分たくさんコピーして全員に配布した場合は、もはやそれは著作権侵害行為となります。)。著作権法ではこのような例外規定条項をたくさん設けています。特に近年では、インターネットがらみでの例外規定条項が増えましたし、今後も増えていくのではないかと考えます。実は、この例外がありすぎて著作権法制度が複雑になり、その理解を妨げる要因になっているのではないかと私は考えています。仕方がないことではありますが、どうにかなりませんでしょうかねぇ。

次に、(2)で前もって明確に許諾があるとされるケースとして。インターネットのとあるサイトで、「このコンテンツはフリーなので、無償で自由に御利用いただけます。」というように、はっきりと許諾の記載がある場合は、この(2)の場合と言えるでしょう。なお、その書き方によっては条件付での使用、利用(ある一定の条件での範囲でしか、フリーでの使用、利用を認めていないし、そうできない。)の場合がありますので、御注意ください。ちなみに、インターネットのサイト自体やサイト内コンテンツは著作物です。

最後に(3)のケース。(2)と似て非なるもので、わかりずらいです。例えば、インターネットのとあるサイトで、「このコンテンツはフリーなので、無償で自由に御利用いただけます。」というような許諾の記載が「ない」場合を考えます。この場合、許諾されていない以上、使用又は利用をすれば、それは基本的、形式的には、著作権侵害となってしまいます。しかし、そのサイト、そのコンテンツに誰もが自由にアクセスでき、誰もがタダで自由にそれを使用、利用できるのがもはや明確であるならば、それは黙示の許諾があるものと考えることができます(あくまで「黙示の許諾」です。また実際は許諾していないこともありえます)。別の書き方をすれば、著作者、著作権者が著作物のそのようなフリーでの使用、利用を「『あらかじめ想定している』と考えられる場合」は黙示の許諾がある、と言えると思います。例えば、コミックマーケットでの同人誌即売行為に対する、漫画アニメ等の業界のスタンスはそうですよね。あと、「買った書籍を『あくまで個人的に』読むこと、買ったCDを『あくまで個人的に』聴くこと」は、これらは著作物の私的使用であるので著作権法上侵害にはなりませんが、別の考え方をすれば「著作物の私的使用行為には、著作権者による『黙示の許諾』がある。」とも考えられます。

ただし、「黙示」ですから、必ずしも許諾がされている保証はないので、リスクを避けたいならば著作者、著作権者にはっきり確認をするのが間違いないのですが、それをしてしまって寝た子を起こしたと非難された例もあります…。

 

でもやはり。

 

「著作者、著作権者の『許諾を得ずに』勝手に著作物を利用してはいけません。」、これは大事なことであり、また著作権法制度の大事な原則です。
その法的な根拠は著作権法第63条です。「著作物の利用の許諾」について定められていますが、長いので割愛します。

そして、著作権法第1条には、著作権法の理念、目的として、
「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」
とあります。

以上のことから、「著作物の利用許諾を得ること」は、「著作者(著作権者)の権利を守りつつ、著作物を公正に利用していくため」に「著作権法で定められた手続手段」であり、また「これは私達の文化の発展に貢献する大事なこと」である、といっていいと思います。
極端なことをいえば、「許諾を得ずに著作物を正しく利用しないこと」は、「文化を破壊する行為」であるとさえいっていいと思います。

 

 

最後に。

「法を知らなかった。」は言い訳にはなりません。

「タダでも「営利行為」となることがあるそうです」の続き

以前に、「タダでも「営利行為」となることがあるそうです」のタイトルで、著作権法第38条1項があてはまらない場合について書きました。

 

その後、以下のような場合はどうなのか、質問されました。

 

「この間の説明では一企業の場合だったが、これが地域の場合、地域振興目的、地域活性目的の場合は、どうなるのか?」と。

 

いわゆる「町おこし」の場合です。市町村ののレベルまでいかなくとも、例えば商店街レベルだってありえます。

 

「町おこし」ですから、もはや特定の一企業だけの話ではありませんが、「その地域に人を呼び込む。」という目的がまずあり、そしてその目的が目指すのは「地域の活性化」でありその行きつく先は「最終的に経済的に利益を得て地域が潤うこと。」なのだと思います。

こう考えると、「無料」「無報酬」「町おこし」イベントでも、やはり究極的には「営利目的」といえる以上は、著作権法第38条1項にはあてはまらない、と考えられると私は思います。

 

ただ、こう考えると、実は著作権法第38条1項があてはまるケースは実際には非常に限定的なものになると思います。たいていの場合は著作権法第38条1項に該当せず、おそらく、学校(念のために書きますと、最近話題の音楽教室は学校ではありません。だから裁判沙汰にまでになっているわけです。)での(「無料」「無報酬」かつ)「非営利」の実演行為だとか、ボランティアでの実演行為ぐらいしかあてはまらないのではないか、と思います。たいていのものは、(「無料」「無報酬」でも「営利目的」であり、「非営利」のものを探すことの方が非常に難しいのではないかと。

 

 

まあ現実として、実際にJASRAC等音楽著作権管理団体がどこからまで徴収しようとするか、その判断次第、というところなのでしょう。